ビルメンテナンス・清掃業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは

TERASコラム

ビルメンテナンス・清掃業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは

  • 2024.03.29

ビジネスシーンにおいてDX(デジタルトランスフォーメーション)は、定着しつつあります。DXの取り組みは業種や企業規模を問わず、幅広い企業に必要と考えられており、清掃業界やビルメンテナンスにおいても例外ではありません。
ただ、清掃・ビルメンテナンスの業務はマンパワーやアナログな管理が主流であるため、DXについてどのようにアプローチすればいいのか分からない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、DXの概要とビルメンテナンスや清掃業界における必要性について解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の概要

DX(デジタルトランスフォーメーション)には広義と狭義の意味があります。広義としては2004年にスウェーデンのウメオ大学に在籍していたエリック・ストルターマン教授が提唱した「ITの浸透によって人々の生活が、多様な面で良い方向に変化する」という意味です。
一方、日本においては2018年に経済産業省が発表した「データとデジタル技術を駆使して、既存の産業のビジネスモデルを変革して競争力を高めること」という狭義の意味で利用されることがほとんどです。この変革の要素としては、組織・業務や生産プロセス・企業文化、風土など経営に関するほとんど全てが該当し、デジタル技術などを用いてこれらを改善することが求められているのです。
また、ただ単にITツールの導入したり、単一の業務のデジタル化はDXではないと経済産業省は明言しており「経営戦略とデジタル戦略が一体となって、ユーザー視点で新しい価値をする」ことが、DXの本質としています。

■DXデジタルトランスフォーメーションとは一体なにか
「プロセスの電子化」、「データの取得と使用」、「レガシーの刷新」、「人間とAIを代替する」のではなく、デジタル技術を使ってつながり方を変えて本当にやりたかったことをやること

※引用:経済産業省「DX認定制度の概要及び申請のポイントについて」

国はIT導入補助金やDX認定制度など、様々な制度を打ち出してDXの推進を進めています。2021年9月にはデジタル庁が新設されたこともあり、今後、さらに全産業においてDX化の必要性が高まると考えられます。

※出典:経済産業省「産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進施策について」

ビルメンテナンス・清掃業界におけるDXの必要性

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既存システム(レガシーシステム)の陳腐化などが問題視されている「2025年の崖」の影響は、ビルメンテナンス・清掃業界においては他の業種と比べると軽いと想定されています。ただし、ビルメンテナンス・清掃業界が今後もユーザー目線でより良いサービスを提供するためには、DXの推進がとても重要になると考えられています。その理由とビルメンテナンス・清掃業界が抱える課題について紹介します。

人材不足と清潔な環境の維持

昨今の清掃業界において深刻なのが、人材不足とスタッフの高齢化です。商業施設やオフィスビルなどのゴミ箱や清掃箇所などを適切に巡回して利用者により快適に過ごしてもらうためには、リソースの確保が困難になりつつある現状は決して喜ばしくはありません。また、スタッフの高齢化に伴い重い備品の運搬などによる負荷も、サービスの質の悪化につながります。働き方改革で求められている「快適な職場づくり」にも対応するため、デジタル技術による業務改善とそれにつながるサービスの質の向上が必要とされています。

保守点検の最適化

設備機器の保守点検の徹底と故障した際の対応は、ビルメンテナンスにおいて重要なサービスの1つです。サービスの品質向上のためには、リアルタイムに設備機器の状態を詳細に監視し、故障などのトラブルが起こった際は迅速に対処する仕組みを構築する必要があるでしょう。マンパワーでは限界があるので、センサーなどのデジタル技術の活用が重要とされています。また、機械設備だけでなくトイレットペーパー切れといった細かな備品の不足も利用者にとってはストレスに感じる原因の1つです。清掃業界と同じように人材不足やスタッフの高齢化が進むなかで、改善を図らなければならないのです。

快適な空間の管理と調整

さらにビルや施設の温湿度や換気といった利用者にとって快適な空間づくりにも配慮が求められています。特に2020年に世界的に大流行した新型コロナウイルス感染症対策がきっかけとなり、換気のほかCO2濃度なども推奨値を維持する必要性が高まりました。フロアや部屋によって全ての数値を観測し、適切に対処するためには人力での対処は非効率です。そのためDXによって対応を図る企業が増えているのです。

清掃業界におけるDX例1:トイレのセンサー管理

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ビルメンテナンスにおいて、トイレの利用状況と巡回清掃のタイミングの最適化は優先順位の高い取り組みの一つではないでしょうか。トイレの混雑は施設の利用者の満足度の低下に直結するほか、巡回清掃の効率化にも大きく影響します。
DXとして取り組む場合、まずはトイレの利用状況を把握してそのデータをもとに巡回清掃のタイミングはもちろん、トイレの増改築なども視野にサービス向上を図ることが考えられます。
テラモトが提供する「TERAS PLACE-テラスプレイス-」は、トイレの利用状況の可視化とデータ収集・分析などが可能なデジタルツールです。トイレ内にセンサーを設置しBluetoothでクラウドサービスと連携することで、パソコンやタブレットなどのWeb管理画面で利用状況の把握が可能。さらに日・時間ごとの稼働状況の分析もできるので、柔軟な巡回清掃の計画立案にも役立ちます。
TERAS PLACE
※関連ページ:TERAS PLACE-テラスプレイス-

清掃業界におけるDX例2:ゴミ箱の容量などの監視

商業施設などのゴミ箱は回収が遅れてしまうと、衛生的にも美観的にも悪影響を及ぼしてしまいます。一方、いたずらに回収を多めにすることはリソースの無駄使いにつながりますし、スタッフの確保が難しい状況ではベストな方法とはいえないでしょう。そこで近年、導入を検討する企業が増えているのが、ゴミ箱の管理システムです。

例えば「TERAS BOX」の場合、ゴミ箱の容量などを感知するセンサーを配置してタブレット端末などでリアルタイムに確認できます。清掃スタッフにタブレット端末を持たせることで、効率の良い収集ルートの構築に役立つだけでなく、イレギュラーでゴミ箱が満杯になった際にも素早く回収できるのでトラブルの防止につながります。
TERASBOX
※関連ページ:TERAS BOX -テラスボックス‐

DXについて理解を深めましょう

DXを実現するには、経営者の判断はもちろんDXの推進担当者や現場のスタッフなど会社全体で取り組む必要があります。それぞれが取り組む内容は異なるものの、何らかの形でデジタル技術の活用に対応しなければならない可能性があるので、ビルメンテナンス・清掃業界の関係者も日頃からDXについて情報を収集して損はありません。ぜひDXについて理解を深めて、必要となった際に円滑に対応できるよう心がけましょう。

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