素敵な新年を迎える為の大掃除

毎年12月13日になると各地の神社や古刹で煤払い(すすはらい)が行われ、その様子は、

テレビや新聞で年末の風物詩として伝えられます。

煤払いが平安時代起源のお清めの神事だったことは知られていますが、江戸時代には、全国のお城や大名屋敷、

大店から熊さん八ツあんの長屋まで一斉の、一大行事に発展しました。

忙しげでホコリっぽそうな一日ですが、ささやかな楽しみも。

江戸時代の中ごろには、煤払いの後、滋養食の鯨汁を食べる風習があったそうです。

「江戸中で 五六匹喰う 十三日」

「湯に行って 来て大魚(鯨)を 食べて居る」

煤で黒くなった人たちが集まって、お風呂屋さんも繁盛したのでしょうね。

お楽しみの鯨汁は廃れてしまいましたが、年末の大掃除の習慣は今日に続いています。

11月中下旬、ホームセンター等の小売店で掃除用品の売り出しが始まると、

「今年こそ、きちんと大掃除をしよう」と思う人も多いでしょう。

大掃除をすませた、スッキリした住まいで迎える新年は、格別です。

これからは「いいことしか起こらない」ような、希望が湧きますよね!

この感覚を、昔の人は、歳神様(としがみさま)と呼んだのかもしれません。

 

「今年こそ」と思っても、納得ゆくまでやり遂げるのが難しい大掃除。

 

大掃除の予定日をカレンダーに○印しておいたけど、いざ当日になると、なぜか、他の用事が…という経験はありませんか?

なぜか、捨てる雑誌を読みたくなりますよね(笑)

お掃除はもともと不人気な家事で、どのような意識調査の結果も、嫌いな家事No.1は「掃除」です。残念ながら、

他の結果をみたことがありません。

約半数の人が「もとから掃除が好きではない」というのが実態のようです。だからつい、雑誌を読んでしまう。

それに、今は働く人の2~3割が年末年始も働き、その半数が、元日も働いています。

その人たちが大掃除に全力投球していた身がもちませんよね。

 

年末の大掃除の第一歩は、「お掃除する場所」の「箇条書き」から

 

誰でも登山の前に山頂の標高を調べるように、大掃除も、あらかじめ目標を定めておくことが大切です。

大掃除の前に、必ず「お掃除する場所」を、紙に書きだしてください。

これが「目標」です。

本稿では「箇条書き」をおすすめします。一カ所一行、余白多めの「箇条書き」です。

なぜなら、この後の「計画」がラクになるからです。

目標を定めたら、「計画」です。

書きだした「お掃除する場所」に、お掃除する「順番」を書き足してゆきます。

お掃除の基本は、「整理整頓」「上から下へ」「奥から手前」です。

 

(お掃除の前の「整理整頓」、このことに説明は要りませんよね。)

 

「上から下へ」「奥から手前」の基本にそって、お掃除する順番を決めて、書き足します。

「上から下に」は、高いところから低いところ。

例えば、ひとつの部屋なら、「照明器具」「テーブル」「床」という順番になります。

「奥から手前に」は、家全体ならふつう「玄関からいちばん遠い場所」→「玄関」という順番です。

ひとつの部屋なら、出入り口からいちばん遠いところが「奥」になります。

最後に、「お掃除する場所」毎に不足している道具や洗剤などを書き足します。

これで計画表と買い物リストを兼ねたメモが完成します。

「大掃除のやり方」というキーワードで検索すると、もっと緻密な実用記事がたくさんありますが、

要点はだいたい同じです。

このように「可視化」しておくと、はじめから無理のない計画を立てることができますし、

時間が不足した場合にも、どこを端折(はしょ)ればよいのか方針を決めやすいので、気持ちがラクです。

 

きっとあなたにも、「いいことしか起こらない」新年が訪れますよ!