EUが制定・施行している「RoHS指令」は、有害物質を含む製品のリサイクル処理の問題や、最終的に破棄処分した際に、環境に悪影響を与えないようにすることを目的に制定されています。電子機器の廃棄削減を目標としてリサイクルを推進するための「WEEE指令」とセットで取り上げられることが多いです。

特に、人体や環境に悪影響を及ぼすとされている、

・鉛
・水銀
・カドミウム
・六価クロム
・ポリブロモビフェニル(PBB)
・ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)

上記6種類の含有率を規制し、実質的に使用禁止としているのです(全く使ってはいけないわけではないが、含有量0.1wt%以下など厳しいため実質的に使用できない)。また、2015年には4物質が規制対象に加えられています。

対象製品としては一般的な家電製品や照明器具、ゲーム機に至るまで幅広く規制されているのですが、全ての製品に適用すると産業への悪影響が懸念されます。そこで、一部の製品については「RoHS除外項目」として適用対象外として定めているのです。

RoHS指令は、EU加盟国に向けた指令なのですが、今では世界基準として扱われています。EU加盟国は諸外国にとって重要なマーケットであり、RoHS指令を遵守するEU加盟国への販売を念頭に置くためにEU域外の国々もRoHS指令に準拠した製品づくりをしているのです。

 

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