TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

いま知っておきたい、『SDGs(エスディージーズ)』 ――よりよい世界を目指す新しい考え方が、企業のあり方を変えてゆく
2022.01.26 業界コラム

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ここ数年、耳にすることが多くなった『SDGs(エスディジーズ)』というキーワード。
リサイクルやエコ、環境への配慮といった面だけでなく、実は『SDGs』は企業のあり方、そして働き方をも変えていきつつあるのです。

そもそも『SDGs(エスディジーズ)』とは、何のこと?

「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標) の略称。
2015年9月、国連に加盟している193カ国の世界の首脳らが集まる“国連サミット”で、全会一致で決められた、国際社会共通の目標のことです。
社会・経済・環境の3つの側面から、よりよい世界を目指すために何が必要なのか。
そして先進国・発展途上国の垣根なく、地球上に住むすべての人々を「誰ひとり取り残さない(leave no one behind)」ことを誓い、そのために必要なゴール(目標)がさだめられました。
国連サミットの開催された2015年から2030年の15年間でこのゴール(目標)を達成できるよう、国や企業だけでなく、誰もが『SDGs』のことを知っておくことが大切です。

『SDGs』を叶えるための17のゴール(目標)

世界のリーダーたちが決めた、「誰ひとり取り残さない、よりよい世界」を目指すということ。この壮大な目標にたどりつくためには具体的にどんなことが必要なのでしょうか。
それをよりわかりやすく、すべての人に共有できるように作られたのが“17のゴール”です。

17のゴール

“17のゴール”から知る、みんなの周りにある3つの課題

1つめの課題――貧国、飢餓、教育

この言葉から思い浮かぶのは、戦争・紛争や社会情勢によって苦しい生活を送らざるを得ない国々の人たちではないでしょうか。
過去から現在にいたるまで、発展途上にある国々への支援は、国・企業・各団体や個人での募金など、
さまざまな形での支援活動が行われています。
同時に、貧困や教育といった問題は身近なところにも潜んでいます。
17のゴールを、あなたの生活のなかで“見えていないもの”への想像力を開く鍵にして、社会のなかにある課題を考えてみることが『SDGs』への第一歩になるかもしれません。

2つめの課題――エネルギー、資源、そして不平等

まるで繋がりのないように感じるかもしれませんが、エネルギーや資源の有効活用に関する課題は、人々の生活のなかで欠かすことのできない労働環境、働き方の改善、さまざまな不平等とつながっていきます。
ジェンダー、マイノリティ、教育格差など、数えきれないほど存在する不平等に向き合い、働き方を改善することは生きることそのもの、経済成長へと直結しています。
それはエネルギーや資源を最も消費する経済活動へ大きな影響を与えていきます。

3つめの課題――地球規模で取り組まなければならない環境・気候変動の問題

海洋汚染、大気汚染、森林破壊、地球温暖化……多くの要素がからまり、地球規模で今までにはなかった災害や健康被害が広がっています。
これらの課題を改善していくには、個人・企業・国家が普遍的、継続的な活動を推し進める以外には手立てがありません。

『SDGs(エスディジーズ)』から生まれた、新たな経済活動の概念

『SDGs』を知ることは、世界のなかにあるたくさんの課題を解決するために何が必要かを知ることです。
例えばゴミを減らすこと、生活のなかでリサイクルを意識するなど、個人が“ひと手間”をかけることも、立派な SDGsの活動です。
そんな中、『SDGs』をより推し進める考えが生まれました。それが『EGS投資』と呼ばれる新たな投資方法です。
国際的な金融機関や投資家等が、どの企業に投資をするかを決めるときに意識するのは、“企業がどれほどの利益をもたらしてくれるのか”です。
企業が生み出す製品やサービスの価値が、現在どれくらい世界のなかで求められているのか? 将来的にどれほど必要になってくるのか?
これまで投資家たちはそういった観点で、投資すべき企業を取捨選択していました。
ですが、『EGS投資』では今までと違った観点で企業を判定するのです。

企業価値が変わってゆく――利益だけでは量れない新たな“価値”

企業価値が変わってゆく――利益だけでは量れない新たな価値

EGSとは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字からなる言葉です。
投資家たちはこの3つの観点から、投資先としてその企業に長期的な成長が見られるか、リスクがないかなどを判断するという考え方が、世界的に広まりつつあります。
企業側からすると、EGSを意識した取り組みがきちんとしているかどうかを見極められているということです。企業として取り組むべきEGSの一例を、シンプルに取り上げてみました。

Environment:環境

  • 脱炭素を意識したエネルギー(二酸化炭素を排出しない太陽光・風力・地熱などの再生可能エネルギー)を使用する。
  • 製造上で発生する廃棄物を減らす。
  • リサイクル可能な素材を使う、リサイクル可能な素材を生み出す。

Social:社会

  • 人材育成、雇用の確保、労働上の安全性を確保すること。
  • ハンディキャップを持つ人、さまざまなジェンダーに対する理解、国籍などを含んだ多様なバックグラウンドを受け入れられる環境づくり。
  • 育児・介護休暇、時短やテレワーク制度など働き方への柔軟な対応。

Governance:ガバナンス

  • 企業経営において、株主・顧客・従業員・地域社会に対する利益を最大限に実現できているかどうか、管理・監督する。
  • 企業の不正行為が行われていないか、システムが健全に機能しているかどうかを監査する。
  • 内部統制だけでなく、外部環境・企業パートナーの動向に対し、自社へのリスク・利害を分析して対処する。

EGSは日本企業にとって、いま最も注目しなければならない課題

今まで企業のなかで重きを置かれていたのは、どれほど利益をあげているかでした。
しかしこれから先の未来において重視されるのは、企業が環境と社会への責任をどれくらい果たしているのかです。
環境汚染への配慮、製品やサービスの提供先の選定基準、従業員の労働環境の改善といった課題を、どのように解決していくのか。そのヒントがつまっているのが、『SDGs』の17のゴールなのです。
『SDGs』において解決していくべき課題に取り組むことによって、企業のEGSはあがるのだと意識することが大切なのではないでしょうか。

参考サイト:
外務省―JAPAN SDGs Action Platform
経済産業省―SDGs経営ガイド

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