TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

持続可能な開発目標を未来に繋ぐために――若い世代が取り組む“いま”のSDGsとは――
2022.07.27 業界コラム

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いつものように過ごす1日。
人の「1日」は年齢やジェンダー、職業、社会的立場などで大きく変わります。
誰にも日常の暮らしがあって、着ている服や食べるもの、生活のなかで使うすべてのもの、そこから出てしまうゴミ……それらのすべてが、世界に繋がっているのを知ること。
『SDGs』の最初の一歩は、“知ること“から始まります。

■ SDGsと17の目標(ゴール)

『SDGs』とは、「Sustainable Development Goals 」の頭文字を略した用語。意味は「持続可能な開発目標」です。
世界のすべての国が抱える問題を、みんなで解決するために必要な目標のこと。
『みんな』とは先進国・後進国といった区別はなく、地球上に住むすべての人々です。
目標は大きくわけて17あり、2030年までに達成できるように世界中が取り組んでいます。

■「持続可能な開発」という言葉をひも解く

SDGs(Sustainable Development Goals )の意味である「持続可能な開発目標」――さまざまな場所で耳にする言葉になってきました。
ところが、「開発」の部分で少し引っかかりを覚える人も少なくないかもしれません。
「開発」はSDGsのなかの「D=Development 」を直接和訳しています。
辞書を調べてみると、「開発」は主に3つの意味を持っています。

① 土地・鉱産物・水力などの天然資源を活用して、農場・工場・住宅などをつくり、その地域の産業や交通を盛んにすること。
② 新しい技術や製品を実用化すること。
③ 知恵や能力などを導きだし、活用させること。
※引用元:デジタル大辞泉(小学館)
開発というと、一般的に最も多く使われている「農場・工場や住宅などをつくること」や、「新しい技術やシステム・製品を生み出すこと」をイメージしやすいと思います。
もちろんこの2つの意味もSDGsにとって重要な要素ですが、3つめの「人」が知恵や能力を得て活用することが、すべての根底にあるのです。

■SDGsにこめられた、これから目指す世界とは

17の目標(ゴール)が目指す「持続可能な開発」にはどういう意味がこめられているのでしょうか。
2013年から始まった環境省の研究プロジェクトで掲げられたことを簡単にまとめてみました。

・これから生まれ育っていく“未来の世代”と、“現在を生きている世代”、どちらの人々の生活や欲求を満足させるような開発を行う
・“地球の生命(資源、環境、生態系など)”を保護することの重要性を知る
・現在と未来の人々が生きていくうえで欠かせない“地球の生命”を守りつつ、現在に生きる人々の暮らしの便利さや欲求を満足させるような開発を広げていく。

この目標を達成するには、「環境」「社会」「経済」の調和が必要と言われています。

環境省の資料では、これらをわかりやすく「木」に例えて説明されています。
・木は3層に分かれていて、根に近い部分が「環境」。
・その上で枝を張っているのが「社会」。
・社会の先で葉を広げているのが「経済」。
・そして木そのものをしっかり支えるために必要なのが「ガバナンス」です。

※参考:デジタル大辞泉(小学館)

■若い世代の日常のなかで――『大学』と『SDGs』の向き合い方

現在・未来に生きるすべての人の暮らしと、地球の環境・資源を保護すること。
「持続可能な開発」の目標はとても大きく、国家や社会、企業が担う部分もたくさんあります。
しかしその根にあるのは「人」という小さな単位です。
『SDGs』の大きな目標を動かす最初の一歩は、人々の暮らす場所から、世界に繋がってゆく。
現在と未来を繋ぐ若い世代の日常に接している『大学』では、どのようにSDGsと向き合っているのか、クローズアップしてみました。

■大学が『SDGs』に取り組む際の指針――大学版“SDGs ランキング”

2019年、イギリスの高等教育専門誌によって発表された、『THE大学インパクトランキング(THE University Impact Ranking 』。
SDGs の17の目標を達成するために、大学が行っている取り組みが社会的・経済的に与える影響を基準にして順位が決められます。
2022年では、世界の31の国・地域から616校がランクイン、日本からは118校が対象となり、参加国の中では最多です。
日本国内の総合ランキングトップ5(2022年)にランクインしているは、どのような取り組みをしているのか、ピックアップしてみました。

●東北大学(宮城県)

東日本大震災の経験とその後の復興プロジェクトを通して、「社会とともにある大学」というアイデンティティを軸に、研究と活動を進める。
SDGsを達成するために必要な課題を整理し、「社会にインパクトある研究」を開始。
災害に強い社会構造、産業・大学が連携して地域の資源を活用するネットワークの構築などを行っている。

●東京大学(東京都)

SDGs達成に関する教育・研究活動を「未来社会協創推進本部登録プロジェクト」として登録。
環境問題や医療関連をはじめとした、東京大学の多様な活動を可視化・発信することで、新たな事業・産業界との連携に取り組む。

●大阪大学(大阪府)

「地域に生き、世界に延びる」をモットーとする大阪大学。全学的な組織として「大阪大学SDGs推進委員会」を立ち上げる。新しいエネルギー等の研究のほかにも、国内の学生・留学生・外国人研究者・教職員が同じ場所で生活し、交流を生み出す環境や、文化・言語・ジェンダーの壁を越えた多様性を育むキャンパス作りを進める。
さらに関西の民間企業、NPO・NGO・自治体などが参加するプラットフォームに参画。地域社会との連携してSDGs推進活動を開始している。

●東京工業大学(東京都)

SDGsの先にある「人々が望む未来社会とは何か」を、社会の一員として考え、デザインすることを目的として、DESIGN機構(DLab)を設置。
「ありたい未来」を若者、企業、公的機関などを含めた多様な人々と共に考える取り組みを行う。

●京都大学(京都府)

環境負荷を低減する「持続可能なキャンパス」を実現するための活動「エコ~るど京大(エコ×世界(ワールド)」を実施。京都大学の環境・サステナビリティを考え・方向性を議論する場を設け、研究・教育・社会貢献活動を広めている。
他にもSNSを通じて、 検索トレンドとSDGsを関連づけたニュースを毎日発信し、京都大学の学生以外にも情報を広めている。

※参考:THE世界大学ランキング日本版
※参考:環境省(環境白書)