TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

今、知っておきたい海のごみ問題 ――海洋プラスチックは身近なところから海へと繋がっていく
2023.12.27 業界コラム

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「海のごみ問題」はここ数年で、ニュースなどでよく耳にする言葉です。
海のごみ問題は、便利な生活を支える身近なもの――プラスチックが大きな影響を与えています。
だからこそ、今知っておきたい。
プラスチックごみと、海洋汚染のことをまとめてみました。

海洋汚染の歴史

海洋汚染の歴史は、約100年前。日本では大正時代初期にあたる年代から始まっていると言われています。
ちょうどこの頃、世界的に科学技術が発展し、石炭を用いた蒸気機関やガソリンを使用した機械類が多く開発されました。
そして海洋汚染が深刻化したのは、1960年~1970年代です。
第二次世界大戦後、各国で産業発達がいっきに進みます。
日本も高度成長期と呼ばれる時代に入り、たくさんの工場が立ち並び、各都市の人口もいっきに増えていきました。
しかし、当時はまだ工場から排出される汚水や廃液を、安全な状態に処理するという意識が低く規制もありませんでした。
一般家庭が使う下水道や浄化槽の整備もまだまだ追いつかず、生活排水からの汚染も深刻な状態。
河川や海洋の汚染がいっきに進み、『公害』と呼ばれる社会問題が日本全国で知られるようになります。
この頃の汚染の原因は、工場や生活排水から起こるものが主でした。
これを受けて、1970年(昭和45年)頃から、『水質汚濁防止法』を始めとした法整備が開始。
排水基準が定められ、処理施設の整備も進みました。

新たに生まれた海洋汚染問題とは?

20世紀の海の汚れは「排水」や「油」によるものが多く、世界各国で汚染を防ぐための対策が進められました。
そして、21世紀に入り約20年ほどが過ぎた現在――。
海洋汚染は、新たな問題を抱えています。

2015年から始まった、世界的な目標『SDGs(持続可能な開発目標)』。
貧困・飢餓・教育・ジェンダー・環境といった様々な問題を解決するための17の目標を、2030年までに達成するという、世界的な動きです。
そして17の目標のなかでも、大きな問題として注目されているのが
【14】海の豊かさを守ろう(Life Below Water)
「持続可能な開発ために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」です。
21世紀を迎えた世界が、海に対して大きなダメージを与えているのは、誰もが生活のなかで身近に使っている〝プラスチック〟なのです。
『海洋プラスチック問題』と呼ばれているごみ問題とは、一体どんなものなのでしょうか?

増え続ける〝海のごみ〟の原因は?

海洋汚染の原因である〝海のごみ〟には、3つの種類があります。
【漂着ごみ】海岸に打ち上げられたごみ
【漂流ごみ】海面や海流の流れによって、海のなかを漂っているごみ
【海底ごみ】海底に沈んで堆積しているごみ
このように、海へと流れでたごみは、海のあらゆる場所にとどまり続け、環境汚染の原因となっています。

そんな海のごみのなかでも、もっとも深刻化しているのが〝プラスチックごみ〟――海洋ごみの約6割から7割を占めています。
世界中で海に流れ出ているプラスチックごみは、年間約800万トン。
環境省の調べによると、日本からは毎年約2万~6万トンのプラスチックごみが発生していると言われています。
海のごみには、不法投棄された廃棄物や災害ごみ・魚網やブイ・釣り糸といったものもありますが、約8割がペットボトルやプラ容器・ビニール袋といった一般家庭や街で発生したプラスチックごみです。
もし全世界から出るプラスチックごみを削減できないままだと、2050年には海中にいる魚の量よりも多くなってしまうと予想されています。

プラスチックごみが海洋汚染を深刻化させる原因〝マイクロプラスチック〟とは?

プラスチックごみが海洋汚染を深刻化させる原因は、その特性にあります。
海洋ごみのなかで、プラスチック以外に多いのが自然物や木材・金属です。
しかし、これらのごみは海中で分解され、やがて朽ちていきます。
一方、プラスチックは、自然界で分解されるまで100年以上の長い時間が必要です。
分解されるまでの長い時間、海のなかをそのままの形で漂流してしまいます。
昨今では、魚類をはじめウミガメやクジラ、海鳥といった海の生物たちが、漂っているプラスチックごみをエサと間違えて食べてしまい死んでしまうといったことも多くなってきています。

更にプラスチックごみは、海のなかでさらに厄介な〝マイクロプラスチック〟へと変化していきます。
マイクロプラスチックとは、プラスチックごみが紫外線による劣化や、波に揉まれるなかで粉砕されることによって発生します。
マイクロプラスチックの大きさは直径5ミリ以下。
手に乗せてみると、小さな粒状だったり、まるで砂のように細かな状態まで粉砕されています。
この微細サイズのプラスチックごみは、一度発生してしまうと、回収が困難になってしまいます。
マイクロプラスチック自体や付着した有害物質の影響が、海洋生物をはじめとした生態系へ大きなダメージを与えると懸念されています。

プラスチックごみを減らすために必要なこと

海の資源や生態系を守るため、増え続けるプラスチックごみを減らす――21世紀最大のごみ問題の対策は、全世界で行われています。
プラスチックごみの大半は、人々の生活のなかにある「使い捨て」から生まれています。
ここ数年、SDGsの観点から、スーパーのレジ袋有料化やエコバッグ利用の推奨、プラスチック製のストローや使い捨てスプーン・フォークなどを避けるなど、身近なところでもプラスチックごみ対策が取られ始めています。
プラスチックごみは、このように普段の生活のなかから少しずつ減らすことができます。

  • エコバッグを使って、ビニール袋利用の機会を減らす
  • 水筒やマイカップ、マイ箸やカトラリーなどを利用する
  • ラップなどを何度も利用できるエコラップに変えてみる
  • ポイ捨てはせず、ペットボトルやプラスチック製品をきちんと分別してゴミに出す

企業や自治体が取り組む、プラスチックごみ削減の動き

個人の生活のなかだけでなく、多くの企業や自治体でもプラスチックごみを削減する対策がとられています。
とくに、ビニールやプラスチック製品や容器を利用・販売している企業は、限りある資源を有効活用するために必要な『3R』を実践しています。

【3R】

  • Reduce(リデュース)…ごみの量を減らすこと
  • Reuse(リユース)…ものを捨てずに、くりかえし利用すること
  • Recycle(リサイクル)…ごみを原材料やエネルギー源として再利用・再資源化すること

3Rを取り入れた企業の取り組み例

  • エコストア
  • スーパーなどで洗剤などを量り売りする形態。
    容器を自分で持ち込むことで、日常的に出てしまうプラスチックごみの削減を目指す。

  • 100%再生ゴミ袋
  • 物流や工場で出たプラスチック資材を再資源化して作られるエコ再生100%ゴミ袋。
    通常のゴミ袋と置き換えていくことで、3Rの「リサイクル」と「リデュース」を進める。

  • 食品パッケージの素材変更
  • パッケージの主原料を、プラスチックやビニール素材から、紙素材へ置き換え。
    年間で数トン単位のプラスチック削減を目指す。

  • アパレル業界でのプラスチック包装
  • 購入時の袋だけでなく、商品陳列のときに使われているプラスチック製のフック、包装材を見直し、紙製のものへの置き換えを進める。

テラモトで販売している商品

エコ再生100%ゴミ袋

テラモトでは、廃棄されるプラスチック資材などを原材料として100%リサイクルで作られている「エコ再生100%」のゴミ袋を販売しております。ゴミを回収した際も突起などで破けにくい丈夫な袋です。
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※関連商品:エコ再生100%ゴミ袋(70L)

海のごみ問題は、決して他人事ではありません。
現代の暮らしにおいて、プラスチック製品はとても便利なもの。
全てをゼロにすることは難しいですが、ひとりひとりがほんの少し意識するだけでも効果的です。

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