TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

年末年始・新年は仏壇仏具を掃除しよう。水拭きなどの方法とは
2021.01.06 お掃除コラム

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年末年始が近づいてくると、「そろそろ仏壇の掃除をしたほうがいいのかな…」、「どうやって掃除をするのだろうか」と気になってきますよね。
新年に向けた大掃除の中でも、仏壇仏具の掃除は一番最初にやるべき箇所なんですよ。
本記事では、年末年始・新年に仏壇を掃除するべき理由や、仏壇の掃除の手順やポイント、注意点を簡単にまとめましたので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

年末年始・新年に仏壇仏具を掃除する理由

年末年始・新年に向けて行われる大掃除。その由来は、寺院や神社で行われる年末の恒例行事「すす払い」にあります。
すす払いは、正月の神様と呼ばれる「歳神様(としがみさま)」を迎える準備として、1年間で溜まった汚れを払って、家の中を清める、江戸時代からある風習だと言われています。
もともとは、仏壇や神棚の掃除が主な目的でしたが、徐々に掃除の範囲が家全体へと広がり、現代の大掃除となりました。

大掃除の原型であるすす払いは、本来毎年12月13日に行われるもの。
しかし、現代社会では、決まって13日に大掃除をするのは難しく、年末年始ギリギリになって大掃除をするのも珍しくありません。
そのため、仏壇や神棚の掃除だけは、なるべく早く優先的に行い「神様が来年もまた幸福を運んでくださるように…」と願いを込める風習が多く残っています。

仏壇は、その家を守る神様がいる場所であり、またご先祖様もいる場所でもあります。
忙しい現代社会で、大掃除をする余裕がなくてもせめて、仏壇だけは掃除するべきですよ。
より良い1年を歩んでいくためにも、次の見出しから紹介する仏壇仏具を掃除する手順から、ぜひ確認してください。

仏壇仏具を掃除する手順

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仏壇仏具を掃除する手順は以下の6つです。まずは全体の流れを把握して、それぞれの詳細を確認してください。

■仏壇仏具を掃除する流れ
1.合掌礼拝
2.仏壇の掃除
3.本尊、位牌のお手入れ
4.仏具のお手入れ
5.仏具の配置
6.お供え物、お花、焚いたお線香を供える

合掌礼拝

合掌礼拝をして、「今からお仏壇をお掃除させていただきます」と一言伝えます。

仏壇の掃除

すべての仏具を取り出してから、仏壇の屋根、扉、裏など仏壇の外側を、毛バタキを使ってすべて綺麗にします。
その後、内部は、上の段から順番に毛バタキをかけ、ガーゼや布で乾拭きします。

本尊、位牌のお手入れ

本尊と位牌を壊さないように、そっと持って毛バタキや毛筆でやさしくほこりを払います。
なお、この時使う掃除道具は、仏具のお手入れ道具とは別に用意しておきましょう。

仏具のお手入れ

漆塗りやプラスチック製でできた仏具は、乾拭きします。
また、真鍮製(しんちゅうせい)の仏具は、金属磨きで磨きます。
仏具のお手入れは、特に注意が必要なので、後ほど仏壇仏具の掃除ポイントの章で詳しくお伝えします。

仏具の配置

一通りの掃除手順を終えたら、一番奥にあった仏具から配置していきます。

お供え物、お花、焚いたお線香を供える

最後に、新しいお供物とお花を供え、 お線香を焚き、合掌礼拝をして念仏を唱えます。

仏壇仏具の掃除のポイント

仏壇仏具は、普通の家具や雑貨よりも繊細な素材でできているため、注意が必要です。特に重要な掃除のポイントは以下の3つです。

■仏壇仏具の掃除ポイント
1.仏壇の塗装面は慎重にやさしく掃除する
2.仏具の素材や加工方法を知っておく
3.定期的なお手入れを大切にする

それぞれの詳細を以下で紹介します。

仏壇の塗装面は慎重にやさしく掃除する

掃除する時の1つ目のポイントは、仏壇の塗装面は慎重にやさしく掃除することです。
仏壇は漆や金箔で塗装されていることが多いです。

ほこりやゴミが付着したまま強く拭き掃除をすると、漆面に傷がついてしまったり、金箔がはがれてしまったりする恐れがあります。
そのため、仏壇仏具を掃除する手順でも紹介したように、きちんと毛バタキでほこりを払ってから乾拭きしましょう。

もし、彫の細かい部分まで十分にほこりが取れなかった場合は、毛筆で丁寧に払ってください。
ただし、長いことこびりついた汚れや花粉などは、毛バタキで払っても取れないことが多いです。
汚れが目立つ場合は水拭きをすることがあるので、その際は水分を残すことがないように、素早く乾拭きしましょう。

仏具の素材や加工方法を知っておく

掃除する時の2つ目のポイントは、仏具の素材や加工方法を知っておくことです。
仏具の多くは真鍮製であり、長く使っていると、徐々に酸化して光沢が失われ、黒ずんだ色になってしまいます。

そこで、仏具の素材や加工方法に応じた適切なお手入れをすることで、従来の光沢を取り戻すことができるのです。
例えば、真鍮製のリン(お椀型の鈴)の場合、適切な磨き方をすれば、磨けば磨くほど光沢が増して、より良い音色を出すこともあります。
ただし、適切なお手入れ方法でないと、着色が剥がれてしまい、せっかくの仏具が台無しになってしまいます。

今使用している仏具が、どのような素材でどのような加工が施されているのかは、素人目には判断し難いです。
一度失敗してしまうと取り返しがつかないため、自信のない方は近くの仏具店へ手持ちの仏具を持って行き、調べてもらいましょう。

定期的なお手入れを大切にする

掃除する時の3つ目のポイントは、定期的なお手入れを大切にすることです。
一週間に一度の頻度で毛バタキで仏壇仏具のほこりを払っておけば、水拭きしないと汚れが落ちない事態に陥りません。
また、仏具についた皮脂が酸化する前に乾拭きすれば、わざわざ苦労して金属製の仏具を磨く必要もありませんよ。

仏壇仏具の掃除の注意点

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仏壇仏具を掃除する際に、必ず押さえておきたい注意点を2つ紹介します。

仏壇は湿気に弱い

1つ目の注意点は、仏壇は湿気に弱いことです。
仏壇の頑固な汚れを落とす際に、水拭きをすることがあるのですが、その際は必ず水分を拭き取る必要があります。

なぜなら、仏壇に湿気が残っていると、カビの温床となり、取り返しのつかないことになるからです。
そのため、仏壇は湿気に弱いことを、ぜひ覚えておいてください。

メッキ加工や漆加工は磨かない

2つ目の注意点は、メッキ加工や漆加工の真鍮製の仏具は磨いてはいけないことです。
ひとくちに真鍮製の仏具と言っても、メッキ加工された仏具の場合は、メッキが剥がれ落ちてしまうので磨くのは厳禁です。

メッキ加工された仏具のお手入れは、仏壇のお手入れと同じように、乾拭きでとどめておきましょう。

また、真鍮製の仏具には、「宣徳色(せんとくしょく)」と呼ばれる漆加工を施して焼き付けたタイプもあります。
このような着色された仏具を磨いてしまうと、着色が剥がれ落ちてしまいます。
そのため、着色された仏具のお手入れも、乾拭きでとどめておきましょう。
一つ前の見出しでも述べましたが、仏具の素材や加工方法がわからなければ仏具店に持ち寄って、確認してみてください。

新年に向けて、仏壇の掃除から始めよう!

今回の記事では、年末年始・新年に向けた仏壇の掃除の手順やポイント、注意点について簡単に紹介しました。
仏壇仏具は神様やご先祖様が来る場所なので、新年に向けた大掃除の中でも、一番最初に掃除することで、より良い1年になるかもしれませんよ。
また、仏壇は普通の家具よりも繊細な素材なので、本記事を参考にして丁寧なお手入れを心がけてみてください。

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