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必要換気量とは?二酸化炭素濃度を指標としたコロナ対策
2021.02.03 業界コラム

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新型コロナ感染防止対策として、人々の生活に新しい生活様式が根付きました。
3密(密閉・密集・密接)の回避、マスク着用、こまめな手洗い・うがいの習慣。
テレワーク推進や、飲食店のテイクアウト拡大など、さまざまな面で働き方や暮らし方にも大きな変化が起きています。
さらにコロナ禍が続くなかで、どういった場面や状況で感染リスクが高くなるのかもわかってきました。

そこで感染症対策のひとつとして注目されているのが、換気すること。
ただ単に空気を入れ替えるだけでなく、より効果的に行うために『必要換気量』という数値が目安にされています。

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今、感染対策のために注目されている“必要換気量”とは?

感染症対策の目安として注目されているキーワードが『必要換気量』です。
必要換気量とは、室内の空気を衛生的に保つために、最低限換気しなければいけない空気の量のこと。でも、あまり聞きなれない言葉です。具体的に『必要換気量』とは何なのか、ひもといていきましょう。

● 換気をしないとどうなってしまう?
生きる上で欠かすことのできない「呼吸」は、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出します。室内など密閉された空間では、換気を行わないと二酸化炭素の濃度がどんどん上がってしまいます。

● 二酸化炭素の濃度があがるとどうなってしまう?
換気が行われず室内の二酸化炭素の量が多くなると、頭痛、眠気や倦怠感が生じることもあります。
また、空気の流れが滞った状態だと、新型コロナウイルスだけでなく、風邪やインフルエンザ等の原因となるウイルスが長時間室内にとどまり、感染リスクが高まります。

● 必要換気量ってどうすればわかるの?
建築基準法では、二酸化炭素濃度(CO2濃度)を1000ppm以下に抑えるよう定められています。
この基準を守るためには、1人あたり1時間で30立方メートルの換気量が必要となります。つまり「必要換気量」は、“どれくらいの広さの部屋”に“何人いるか”によって、変化します。

クリーンな空気のために“いつ・どんなタイミング”の換気が有効?

換気のタイミング――例えば1時間に1回15分程度というように、決まった時間や頻度で行っているご家庭やオフィスなども多いのではないでしょうか。
もちろん時間によって換気を習慣づけるのは良いことですが、これは「その場にいる人の数が変わらない」ことが前提になっています。
オフィス、会議室、飲食店、コワーキングスペースといった人の動きの多い場所では、どのような換気のタイミングが効果的でしょうか?
そのカギは「二酸化炭素濃度(CO2濃度)」の数値を知ることでした。
部屋の広さ、そこにいる人数に関わらず「二酸化炭素濃度を1000ppm以下に抑える」ように換気することが、室内の空気をクリーンに保つために効果的だといわれています。

室内の二酸化炭素濃度(CO2濃度)、どうやって測ればいいの?

二酸化炭素は、特定の波長の赤外線を吸収するという特性があります。
その特性を利用して、モニターしたい場所の二酸化炭素の量を検知します。
コストや使いやすさから、光学式(赤外線の吸収特性を利用したもの)が広く普及しています。

二酸化炭素濃度測定器・CO2濃度計・CO2モニターといろいろな名称で呼ばれていて、形も用途に合わせ多様です。
オフィスや飲食店など小規模な面積の場所では、卓上や壁掛けタイプのデジタル時計のような見た目でコンパクトなサイズのものがよく使われています。
すぐにCO2濃度をチェックでき、換気をするべきタイミングをしっかり把握できます。

二酸化炭素濃度(CO2濃度)ごとの換気方法の目安

室内の二酸化炭素濃度(CO2濃度)の数値ごとに、換気方法やタイミングの目安をまとめてみました。CO2濃度は狭い場所にたくさんの人数が集まると上がりやすくなります。
換気とあわせて、利用者の人数に制限をかけることも効果的です。

● 1000ppm以下……空気がクリーンな状態。このCO2濃度を基準に保つようにする。
● 1000~1500ppm……許容範囲の数値。時々、室内の一部の窓を開けて換気する程度でOK。
● 1500ppm~2500ppm……悪い数値。眠気や倦怠感を感じる可能性も。30分に数分ほど窓を全開にして換気する。CO2濃度が下がるまでは部屋の使用を控える。
● 2500ppm以上……非常に悪い数値。濃度の数値が下がるまで、常時窓を全開にして換気を行い、部屋の使用を控える。

知っておきたい換気のコツと注意点

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● 窓を開ける場合のコツ
室内の窓を開けて換気する場合、対角線上や高い位置と低い位置にある窓など、2方向で開けると、空気の流れができてより効果的です。
● 出入口を利用しよう
室内に窓がひとつしかない場合は、窓の反対側や対角線上の出入口を開けて、空気の流れを作りましょう。
● 換気装置は「強」で使おう
窓が小さい、換気装置のみの室内の場合は、設定を「強」にして使いましょう。サーキュレーターを出入口や窓など、戸外に向けて使うことも換気に効果的です。
● 適度な室温と湿度を保つように
小さなお店等では常時出入口を開いた状態で換気をしている場合もあります。しかし冬季ではとくに室温や湿度の低下が感染リスクをあげてしまうことも。
室温は18℃以上、湿度は40%以上を保てるように注意しましょう。

二酸化炭素濃度(CO2濃度)モニターの普及は、新しいコロナ対策の1歩

2020年12月、神奈川県では飲食店に対してCO2濃度測定器の無償貸出を行いました。
窓や出入り口を開けっぱなしにするのが難しい冬季において、二酸化炭素濃度を計測することは換気対策に役立ちます。
貸出し期間は6週間、終了後は返却するか、調達価格の4分の1で買い取ることが可能です。

今までCO2モニターのことを知らなかった層や、機器購入のコストのために諦めていた層への普及が広がってほしいものです。

TERASが提供する高精度CO2センサーはこちらから

二酸化炭素濃度(CO2濃度)を“見える化”――IoT技術を用いた最新の換気対策

CO2モニターで二酸化炭素濃度をチェックし、換気するタイミングを逃さない……今まではこまめに濃度計の数値を目視することがスタンダードでした。
しかし、不特定多数の人が出入りする場所や、CO2濃度をこまめにチェックする人手が足りない職場などは少なくありません。
そんな問題を解決するために開発されているのが、IoT技術とCO2モニターやカメラ等を組み合わせたシステムです。
インターネットを通し、リアルタイムに二酸化炭素濃度と人の密集度のデータを集めることで、効果的な感染症対策を行うことができます。

現在開発されているIoT技術×CO2モニターの例
● CO2モニターで計測された数値を誰にでも見やすい場所に表示し、換気タイミングを逃さない。
● カメラで室内に滞在している人数や時間をモニタリングし、3密を避けるよう促す。
● CO2モニターと空調・換気システムと連動し、自動でCO2濃度をさげるための換気を行う。

この技術を取り入れることで、オフィスや飲食店だけでなく、学校・介護施設・病院・スーパーなどさまざまな「場」の換気や3密対策に役立ちます。

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