TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

清掃・掃除の視点で考える。SDGsのゴミ問題で企業や個人ができることとは
2021.10.20 業界コラム

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近年、新聞やテレビでSDGsという言葉を目にするようになりました。SDGsは地球社会を持続可能な姿にするというものですが、規模が大きすぎて身近に感じづらい人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではSDGsの概念を簡単に説明した後、身近な清掃・掃除の視点に落とし込んで解説します。清掃やゴミ処理などを介したSDGsへの取り組みを紹介するので、職場にSDGsを取り入れたい企業や個人として取り組みたい方々は、ぜひご確認ください。

SDGsとは

SDGsはSustainable Development Goalsの略で、「持続可能な開発目標」と訳されます。具体的には、世界が抱えている諸課題の解決に向けた17の国際目標を指す言葉です。2015年9月の国連サミットで採択されました。

ちなみに、17の目標というのはあくまで大枠で、さらに169のターゲット(具体目標)で構成されています。例えば目標の1つ目は「貧困をなくそう」で、その下に「達成期限」や「貧困の定義」、「具体的な対策」などを含むターゲットが定められています。

そして冒頭で述べた通り、SDGsは国内でも関心が強まっています。国連での採択直後はあまり認知されていませんでしたが、2017年に経団連が企業行動憲章にSDGsを組み込みました。これをきっかけに企業にもSDGsへの貢献が求められるようになったのです。企業側としても消費者や投資家へのアピールに繋がるので、企業価値の向上につながるとされています。

※出典:外務省SDGsとは?

SDGsと清掃、ゴミ処理

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先述した通りSDGsは国際的な目標ですが、実は「清掃・ゴミ処理」などの身近な問題にも関係しています。具体的にはSDGsのNo.11、12、14の内容が清掃・ゴミ処理問題の解決に繋がるのです。
以下では、清掃・ゴミ処理のそれぞれと関連するSDGsについて解説します。

■清掃と関連するSDGs
・SDGs 11:住み続けられるまちづくり(※こちらはゴミ処理とも関連)
本目標は人々の居住環境を包括的に改善するものです。安全性・災害に対する強靭さ・脆弱な立場にある人の交通アクセスを向上など、様々な観点からまちづくりを進めます。

そして、その中の6つ目の項目(ターゲット11.6)が清掃と関連します。この項目は、都市の住民一人ひとりが、大気の質や廃棄物の管理に配慮するというものです。現状、都市部は人口が集中し、大気汚染が問題となっています。
また、2018年度には日本国内でのゴミの総排出量が東京ドーム100杯以上を記録するなど、廃棄物の多さも問題です。より良いまちづくりのためには、地域が一体となってこれらの問題を解決しなければなりません。

■ゴミ処理と関連するSDGs
・SDGs 12:つくる責任 つかう責任
これは現在の大量生産・大量消費・大量廃棄の慣習を改め、少ない資源でより多くのものを得られるようなシステムを構築するという目標です。ターゲットとしては、食品ロスなどの廃棄物削減や環境汚染物質・有害物質の発生防止などが含まれています。

食品ロスを例に挙げると、日本の食品ロス発生量は1年間で612万トンです(2017年)。これは毎日お茶碗1杯分を廃棄していることと同じです。世界では9人に1人が栄養不足で苦しんでいるというデータもあるので、もちろん倫理的に良くないですし、食品の廃棄は大きな環境負荷となります。具体的には、水分を含む食品の運搬・焼却に際してCO2が排出され、埋立地の寿命を縮めることにも繋がるのです。

・SDGs 14:海の豊かさを守ろう
これは水産資源や海そのものを守るという目標です。主な内容は、漁獲量をコントロール(過剰漁獲の禁止)する他、廃棄物により海が汚染されるのを防ぐことです。

このような施策が必要となった背景は2つあります。1つ目は人口増加と世界的な健康ブームで魚資源が減少したことです。2020年時点の調査では、「まだ十分に利用できる資源」が6.2%にまで落ち込んでしまいました。そして2つ目は、プラスチックゴミを中心とした大量の廃棄物によって海が汚染されているからです。細かく砕けたプラスチックを魚や海鳥が誤って食べることで、いずれは人間の体にも蓄積されるリスクも考えられます。

※出典:農林水産省食品ロスの現状を知る

企業と個人が掃除や清掃でSDGsに貢献できること

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最後に、前段で述べたSDGsの3つの目標を達成するために、清掃・ゴミ処理の観点から実施できることを解説します。企業と個人のそれぞれの事例をまとめるので、ぜひ取り入れてみてください。

企業の清掃・ゴミ処理とSDGs

企業におけるSDGsは、まだまだ浸透していないのが実情です。2020年12月から2021年1月に、25以上の業種を対象に行われた調査によると、職場でSDGsに取り組んでいる会社はわずか10%程度でした。

下記でSDGsの実例を紹介するので、導入の際は参考にしてみてください。

■企業の清掃
会社の近隣清掃がシンプルかつ有効な取り組みです。例えば山口県に位置する、ある工事会社では、社内だけでなく国道の清掃を行っています。不法投棄が多い場所のようですが、継続的な活動で「住み続けられるまちづくり」に貢献しています。

■企業のゴミ処理
食品メーカーがロスを減らした事例として、アプリを使った「フードシェアリングサービス」があります。これにより、まだ消費期限内の売れ残り商品を、希望者に安い価格で販売することが可能です。

また、業種に限らず「ゴミの削減」と「分別の徹底」は重要です。紙の印刷は極力減らし、社内にはマイカップとマイボトルを常備すると良いでしょう。分別に関しては、注意喚起の意味で、ゴミ箱の傍に分別表を設置するのがおすすめです。

個人の清掃・ゴミ処理とSDGs

家庭からでる一般廃棄物は膨大です。逆に言うと、個人の意識・行動が変わればSDGsの実現に向かって大きく前進することでしょう。

■個人の清掃
個人が「住み続けられるまちづくり」に貢献する場合、地域の清掃活動に参加する方法があります。

その事例の1つとして、環境省・国土交通省が主体、後援となっている「海ごみゼロウィーク」という全国一斉清掃キャンペーンがあります。これは全国の拠点で老若男女が「海ごみゼロ」という合言葉のもと、海洋ゴミを拾い集めるイベントです。プラスチックが海に流れ出ることを防ぐ意味では、「海の豊かさを守ろう」という目標にも貢献することができます。

■個人のゴミ処理
個人のゴミ処理を通してSDGsの力になるには、以下の3つのポイントがあります。どれも手軽なので、出来るものから取り入れましょう。

1.マイバッグ、マイボトルを持ち歩く
極力、プラスチックやペットボトルを持ち帰らないようにします。買い物袋はマイバッグで代用し、ペットボトル飲料は買わないようにしましょう。

また、魚介類を購入する際にはMSC認証マーク付きのものを選ぶのがおすすめです。これは資源を守りつつ獲られた魚だと示すもので、買うことで海を守ることに繋がります。

2.食品ロスを減らす
自炊用の食材や総菜を買う際は、必要以上に買って余らせないようにします。買い物の前に購入リストを用意しておくと良いでしょう。

外食時には小盛を注文して確実に食べきれるようにしたり、「ドギーバッグ」を持参するのがおすすめです。ドギーバッグとは食べ残しを持ち帰る容器のことです。もちろんお店の了解を得るのが大前提ですが、可能なら持ち帰り、痛まない内に食べきりましょう。

3.商品パッケージの原料に気を付ける
近年は紙が原料のパッケージが開発されています。例えば大手お菓子メーカーのポテトチップスは、プラスチックからクラフト包材への仕様変更を開始しています。

飲料についても同様で、ペットボトルでなく紙容器のものも増えています。これらの商品を買うことでSDGsに貢献できます。

SDGsは 企業だけでなく個人の問題

今回はSDGsと清掃・ゴミ処理との関連、そして企業や個人ができる具体的な取り組みについて解説しました。SDGsに沿った行動ができるか否かで、地球環境に大きな影響があることを感じていただけたかと思います。
だからこそ、企業はもちろん個人でも、SDGsのことを頭の片隅に置いて生活することが推奨されています。まずは一人ひとりが3Rを心掛けるだけでもSDGsの実現に近づくので、本記事で紹介した取り組みを参考にしてみてください。