TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

厚生労働省が保育園で「おむつ回収・処理」を推奨へ。持ち帰りが主流だった理由とは?
2023.03.27 業界コラム

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2023年1月、厚生労働省は「使用済みおむつを保育園にて回収・処理することを推奨」する声明を発表しました。
こうした声明によって、今後は保育園側や保護者側の対応が変化していくでしょう。
しかし、突然の発表により、困惑したという方もいらっしゃるかもしれません。
ここではどういった経緯でこのような発表がなされたのか、保育園と使用済みおむつの問題について紹介していきます。
また、保育園関係者向けに、使用済みおむつを廃棄する際に役立つゴミ箱や保管庫も紹介していきます。

※おすすめ記事①:介護施設のオムツ処理の現状と課題。環境問題・保管管理を軽減できるゴミ箱,
※おすすめ記事②:悪臭、クレーム…保育事業の新しい課題「オムツ処理」とは

「保育園と使用済みおむつ」を巡る現状

厚生労働省は2023年1月23日に「保育所等における使用済みおむつの処分について」を発表しました。
ここでは、声明の内容だけでなく、保育園と使用済みおむつに関する現状、そして400億円以上の予算がかけられている保育環境改善等事業について紹介していきます。

※出典:厚生労働省「保育所等における使用済みおむつの処分について」

厚生労働省が示した方針とは?

厚生労働省は同声明にて、保育所や幼保連携型認定こども園、地域型保育事業所などにおいて、使用済みおむつは保育施設側が処分を行うことを推奨することにしました。
BABY JOB株式会社が運営する「保育園からおむつの持ち帰りをなくす会」が2022年3月に公表した資料では、公立保育園を運営する市区町村に対して、「使用済みおむつを保護者に持ち帰らせているか」アンケート調査を実施しています。
その結果、約4割に当たる約580の市区町村が使用済みおむつを保育園で廃棄せず、保護者に持ち帰らせていると回答しました。
保護者が使用済みおむつを持ち帰ることは負担も大きく、また保育士側も使用済みおむつを子どもごとに振り分けなければいけません。

保護者・保育士両方が負担を感じている現状を克服するため、厚生労働省は使用済みおむつの処分を保育園側が行うことを推進しています。

※出典:PR TIMES「「使用済みおむつ」を4割の市区町村で公立保育園から保護者が持ち帰っている実態が判明 持ち帰り比率が高い都道府県:ワースト1位滋賀県、2位長野県、3位京都府」

約8%の保育所で「持ち帰り」も

「保育園からおむつの持ち帰りをなくす会」の調査を受けて、厚生労働省は「使用済みおむつは保育園側で回収している」と回答した約6割の保育園を対象に追加調査を行いました。厚生労働省が2022年10月に行ったこの調査によると、90%以上の保育園が、回答通り使用済みおむつを保育園側で廃棄しています。

しかし、約8%の保育園では、使用済みのおむつを保育園内で処分せず、保護者が持ち帰ることになっています。
そのため、使用済みおむつを保護者に持ち帰らせている保育園は当初の調査よりも多いことが判明しており、厚生労働省の声明を通して、こうした現状を変えていく必要があるでしょう。

保育環境の改善等事業について

保育施設側で園児の使用済みおむつを処分する場合、保管スペースの確保や衛生面の管理などが必要となり、保育施設側の負担も大きくなるでしょう。
そこで政府は保育施設をサポートする保育環境改善等事業を実施しています。

これにより、保育園にて使用済みおむつの処分を実施するために、設備の整備費用を支援しています。
例えば、設備整備などを支援する環境改善事業では、保育環境の向上を図るために必要な備品を購入した場合、その一部を補助する事業が行われています。

保育園と保護者の「使用済みおむつ」を巡る課題

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保護者と保育園それぞれの視点で、使用済みおむつを処分する際の課題やデメリットを見ていきましょう。

保護者が使用済みを持ち帰る理由とデメリット

「保育園からおむつの持ち帰りをなくす会」の調査によると、全国の約4割の保育園では使用済みおむつを保護者が持って帰るようになっています。
ここでは、園児の使用済みおむつを保護者が持って帰っていた理由と、持ち帰る際に生じる課題を確認していきましょう。

使用済みおむつを持ち帰っていた理由

厚生労働省の追加調査によると、保護者が使用済みおむつを持ち帰っていた理由について、以下のような理由が挙げられています。

・子どもの体調把握のため
・保育園側で保管するスペースの確保や衛生面の管理が困難
・保育園側で使用済みおむつを処理する財源の確保が困難
・昔からの慣習
・その他

「子どもの体調を把握するため」という育児に関する理由が挙げられる一方、保育園側の事情も見受けられます。
そのため、現状を変えていくには、保育園側の協力や支援も必要となってくるでしょう。

持ち帰るデメリット

まだ言葉を発せない乳児にとって、排せつ物は保護者が体調を把握する指標となります。そのため、「子どもの体調把握のため」に使用済みおむつを保護者の持ち帰りにするのは、子どもを育てるための前向きな取り組みとも言えるでしょう。

一方で、保護者が使用済みおむつを持ち帰るのはデメリットも考えられます。
例えば、日中は仕事に従事している保護者の場合、子供を迎えに来るのは仕事終わりの夕方になります。
この時に使用済みのおむつを渡されてしまうと、帰り道にスーパーやショッピングモールなどに寄って買い物をすることができません。

他にも、「2人以上の子どもを預けている場合、おむつだけでも大きな荷物になる」「夏場は特ににおいがきつくなる」などの問題点が挙げられます。
こうしたことから分かる通り、子どもの体調把握といえど、常に使用済みのおむつを持ち帰るのは保護者にとって大きな負担となるでしょう。

保育園がおむつを処分する課題

使用済みおむつを保護者の持ち帰りにしているのは、保育園側の事情も大きく関係しています。
そのため、保育園側が使用済みおむつを処分する際に生じる課題についても見ていきましょう。

衛生面の課題

使用済みのおむつには排せつ物が付着しているため、様々な感染症の原因となります。
そのため、おむつを交換する際だけでなく、交換後も適切かつ迅速な対応ができなければ、保育園内の衛生環境が守られなくなってしまうのです。

使用済みのおむつを保育園側で回収・処分する場合、保育園内の衛生を保つために適切な設備や場所が必要になることもあるでしょう。

保育士の負担の増大

保育園側がおむつを全て処分する場合、使用済みおむつを保護者に渡すため、園児ごとに使用済みおむつを分けて保管しておく業務が無くなります。
そのため、基本的には保育士の負担は抑えられると考えられています。

ただし、回収した使用済みおむつに関しては、法律上産業廃棄物として扱わなくてはなりません。
処分方法は一般廃棄物とは異なるため、明確に仕分けと手続きを行う必要があるでしょう。
使用済みおむつを保育園側で処分する場合、これらに関する業務が増えることによって、保育士の負担が増大する恐れがあります。

処理費用と保管スペースの問題

厚生労働省が公表する「保育所における感染症対策ガイドライン」(2022(令和 4)年 10 月一部改訂版) によると、交換後のおむつについて以下のように定めています。

・交換後のおむつは、ビニール袋に密閉した後に蓋つき容器等に保管する。
・交換後のおむつの保管場所について消毒を行う。

そのため、使用済みのおむつを保育園で回収・処分する場合、園児全員分の使用済みおむつを廃棄できるような大きなゴミ箱や保管庫が必要です。
こうした備品や設備を準備するための費用や保管スペースが用意できない保育園も少なくありません。

また、産業廃棄物の処分をゴミ処理業者に依頼する場合、追加の処理費用が発生します。
使用済みおむつは毎日発生するため、保育園を運営するランニングコスト自体も上昇してしまうのです。

※出典:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン (2022(令和 4)年 10 月一部改訂版) 」

補助金にも使用可能な「テラモトの製品」とは

厚生労働省は、保護者・保育士の負担軽減を目指し、保育園にて使用済みおむつを回収・処分することを推奨しています。
しかし、これを実現するためには、設備費用や処理費用の確保も重要です。

そこで、厚生労働省は各種支援事業を行っており、保育園側は補助金を利用して、設備投資を実施できます。
ここでは、補助金の対象になっている、テラモトおすすめの備品を紹介していきます。

一時保管・屋内用回収容器

園内でおむつ交換をした後、まずは屋内用のゴミ箱にて一時保管します。
使用済みおむつを屋内に保管するため「臭い」と「衛生面」に配慮されたゴミ箱が必要です。

エコン 連結式ダストボックス

「エコン連結式ダストボックス」とは、テラモトが販売している室内用のゴミ箱です。
こちらの商品は上部に蓋が設けられた左右両開きタイプのゴミ箱であり、開口スペースを必要としないため、デスクや作業台といった小さな場所でも設置できます。

また、蓋部分には防臭パッキンが装着されており、使用済みおむつを廃棄しても外に臭いが漏れにくい設計です。
交換後の使用済みおむつは、ビニール袋でしっかり封をしたとしても、少しの隙間から臭いが漏れてしまいます。

室内は保育士や園児が過ごすだけでなく、保護者も訪れる場所であり、悪臭はなるべく抑えなければいけません。
そのため、防臭機能が施されたこちらのゴミ箱であれば、悪臭に悩まされることも無くなるでしょう。
エコン 連結式ダストボックス
※関連商品:エコン 連結式ダストボックス#70 WH/BR 防臭パッキン付

セパ スリムペダル

「セパ スリムペダル」は机や棚といった少しの隙間でも収まるように設計されたスリムタイプのゴミ箱です。
本体、蓋ともに抗菌加工が施されているため、衛生面にも配慮されています。

使用済みおむつには園児たちの排せつ物が付着しています。
当然ながら、排せつ物は非常に不衛生であり、感染症の原因となります。
そのため、使用済みおむつを廃棄するゴミ箱には、雑菌が繁殖しないような抗菌加工、メンテナンスや消毒が容易な設計などが求められるのです。

「セパ スリムペダル」には最初から抗菌加工が施されているため、細菌の繁殖を抑制し、簡単なお手入れのみで衛生的な状態を保ちます。
衛生面に不安を感じる場合は、導入を検討してみましょう。
セパ スリムペダル
※関連商品:セパ スリムペダル 60型

二次保管・屋外用保管庫

屋内用のゴミ箱は日々の業務で発生した使用済みおむつを一時的に保管する場所です。
そのため、一時保管場所がいっぱいになった時、その日の業務が終了した時には、屋内のゴミ箱から屋外の保管庫に運び、廃棄業者の回収まで保管しておく必要があります。

屋外用保管庫といえど、どんな製品でも良いというわけではなく「保管容量」「耐久性」「安全性」が求められます。

ワイドストレージ600キャスター付

「ワイドストレージ600キャスター付」は屋外でのごみ集積に適した保管庫です。
とにかく大容量なのが特徴であり、その容量は約600Lとなります。

二重壁の構造となっており外部からの衝撃にも強くなっています。
さらに、ポリエチレンが素材であるため錆びる心配がなく、屋外の保管庫として適しています。

鍵の取り付けも可能であり、園児たちが簡単に開けられないようにすることも可能です。
鍵を取り付ければ、外部の人間からの悪戯やゴミの不法投棄も防げるでしょう。
ワイドストレージ
※関連商品:ワイドストレージ 600 キャスター付

キャスターペール

「キャスターペール」はキャスターが取り付けられた大型のゴミ箱です。
素材には耐候剤が配合されているため、紫外線や雨風に強く、屋外に設置しても劣化しにくい設計となっています。

また、普段使いに適した設計となっており、日々のメンテナンスや使い勝手の良さが特徴です。
例えば、底部には排水栓があり、丸洗いによるお手入れも手軽に行えます。
さらにキャスターが取り付けられているため、女性の方でも容易に持ち運びが可能です。

一方で、容量は最大で90Lであり、二次保管庫としてはやや不安が残ります。
保育園で預かっている乳児が少ない、頻繁にゴミ収集業者が来るなどの理由で、大容量の保管庫を必要としない場合におすすめです。
キャスターペール
※関連商品:キャスターペール90 黒

保育園でのおむつの回収・処理を実現しよう

使用済みのおむつを保護者が持ち帰るのは、保護者・保育士双方にとって負担が大きくなります。
そのため、保育園側で使用済みおむつを回収し処分まで行うことが求められます。

しかし、保育園側でも実現に踏み出せない課題もあり、今後はこれらの課題をいかに解決していくのかが重要となってくるでしょう。

現在では保育園に対して補助金を出す支援事業も実施されています。
補助金を活用し、今回紹介した製品を設置することで、保育園での使用済みおむつの回収・処分を目指しましょう。


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