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時間がないのに汚れが落ちない!客室清掃員がプロが頭を抱えてしまう汚れと対策3選
2019.08.19 業界コラム

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ホテルなどの客室清掃スタッフがするべきことには、室内のゴミ回収や掃除機がけ、バスやトイレの清掃、リネン類の交換、ベッドメイクなどがたくさんあります。また、決められた時間内ですべての作業をこなす必要があるので、体力や効率ともに重要になってきます。
特に大変なのは、客室に落としにくい汚れがあるケースではないでしょうか。ここでは、客室清掃スタッフにとって最も悩ましい客室の汚れについてまとめました。

タバコの灰と臭い

喫煙可能な客室がタバコの灰で汚れているのは、珍しいことではありません。灰皿の周りにこぼれていたり、床に落ちていたり、あるいはベッドや布団の上に散らばっていたりするなど様々です。時には、大量のタバコの灰で汚れているケースもあるでしょう。最近ではタバコを吸える場所が減っているため、その影響もあるのかもしれません。

タバコの灰で汚れているとはいえ、机の上に落ちているだけであればそれほど問題ではありません。通常通りに拭けば、すぐにきれいになります。しかし、問題はタバコの灰がカーペットや畳の上に落ちている場合です。安易に拭き取ろうとすると、かえって汚れを広げてしまう可能性もあります。また、畳の奥の方へと入り込んで取り除けなくなってしまうことも考えられます。

そして、タバコの灰で客室が汚れることの最大の問題点は「臭い」です。タバコの臭いに敏感な人は少なくないため、タバコの臭いが残っているとクレームにつながりかねません。たとえ喫煙できる客室でも、宿泊客の全員が喫煙者というわけではないため、十分に注意が必要です。そして、中には禁煙の客室にもかかわらずタバコの灰が落ちているケースもあります。このような場合は、特に念入りな掃除が欠かせません。

掃除するときには、セロハンテープやガムテープなどの粘着テープを使ってタバコの灰を取り除くといいでしょう。この方法なら、上手くいけば塊のまま取り除くことができます。そして、畳に入り込んだ場合にはブラシなどを使って丁寧にかき出すようにしましょう。

なお、タバコの灰を掃除するときに箒で掃いてはいけません。大量に落ちている場合には、掃除機を使うようにしてください。
臭い対策としては、換気が一番重要です。客室の中の空気を入れ替えて、臭いをできる限り追い出してください。

そして、それだけでは不十分という場合には消臭アイテムが必要になります。消臭スプレーなどを用いて、タバコの灰で汚れていた部分を中心にしっかりと臭いを取るようにしましょう。

落書き

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小さい子どもを連れて旅行に出かける家庭はたくさんありますが、家族連れが客室に泊まるときに厄介なのが落書きです。普段は大人しい子どもであっても、旅行ではテンションが上がって壁などに落書きをしてしまうことは珍しくありません。

また大人も久しぶりの旅行をのんびりと楽しみたいため、子どもにお絵かきグッズなどを与えて1人で遊ばせていることがあります。大人たちが自分を放置して話に花を咲かせていると、つい落書きしたくなってしまうのも無理はありません。

一口で落書きといっても、どの道具で落書きをしたかによって掃除の難易度は大きく異なります。例えば、鉛筆で落書きした場合には比較的簡単に落とすことができます。しかし、油性ペンで落書きをされた場合は大惨事。ちょっとやそっと擦っただけではきれいにならないため、すべて落とすためにはプロの技とコツが必要となります。

前述したとおり、落書きによる汚れを落とすときには、何を使って描いたかによって掃除方法を変える必要があります。間違った落とし方をすると、ただ壁紙を傷めるだけになってしまうので十分に注意しましょう。

■鉛筆・色鉛筆の落書き

鉛筆や色鉛筆での落書きを落とすときには「メラミンスポンジ」を使うといいでしょう。使い方はとても簡単で、メラミンスポンジを水で濡らして壁を擦るだけ。強く擦ると壁紙を傷めてしまうので、優しく擦るようにしましょう。これだけで、あっという間にきれいになるはずです。

■水性ペンの落書き

水性ペンでの落書きを落とすのもそれほど大変ではありません。とはいえ、一度乾いてしまったら水拭きするだけできれいにするのは困難です。歯ブラシと歯磨き粉、雑巾を使って落書きを落としていきましょう。歯磨き粉を付けた歯ブラシで落書きのある部分を擦った後に、雑巾で乾拭きすると汚れがするっと落ちます。

■油性ペンの落書き

一番厄介な油性ペンです。油性ペンはそもそも簡単に落ちないように作られているため、落とすのは簡単ではありません。しかし、アルコール除菌スプレーまたは除光液、ティッシュ、メラミンスポンジを使えばある程度落とすことができます。アルコール除菌スプレーまたは除光液を染み込ませたティッシュを落書きのある部分に当て、油性インクを浮かせてからメラミンスポンジで擦りましょう。

スーツケースなどによる傷跡

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旅行に欠かせないアイテムが、大量の荷物が入ったスーツケースです。特にゴールデンウィークなどの連休を利用した旅行では、大きなスーツケースを持ってくる宿泊客がたくさんいます。しかし、客室の中で宿泊客がスーツケースを開閉するときにキャスターが壁に当たって跡が付いてしまうケースもあります。盲点かもしれませんが、決して珍しくはないケースだといえるでしょう。

また重いスーツケースを横に倒すときに壁に当ててしまい、壁紙に傷が付いてしまうこともあります。壁紙の修復には時間がかかることがあるため、タイムリミットが決まっているので、客室清掃スタッフにとってはできれば避けたい作業の1つだといえるのではないでしょうか。

キャスターによる壁の汚れは、比較的すぐに落とせる場合が多いといえます。スポンジに洗剤を付け、優しく擦って落とすようにしてください。ただし、汚れの種類によってはどれだけ擦っても全然落ちないこともあります。汚れを落とすための時間は、少し長めに見積もっておきましょう。

そして、壁紙の補修方法についてです。スーツケースの角が当たって少し壁紙がめくれた程度であれば、簡単に補修可能です。めくれてしまった部分の下地にジョイントコークを塗り、元通りになるように壁紙を貼り付けましょう。これなら、初めてでも短時間でできますね。

しかし、傷跡が大きい場合には壁紙を剥がしてから補修用壁紙を貼り付ける必要があります。まずは傷跡がある部分の周りに四角く切り込みを入れ、壁紙を剥がしてください。その後に、切り取った部分よりも一回り大きい補修用壁紙を上から貼り付けます。貼り付けた後、元の壁紙と補修用壁紙が重なった部分をカットして補修完了です。なお、壁紙をカットするときには補修用壁紙がズレることのないように十分に注意してください。

コツをつかんで厄介な汚れもピカピカに

タバコの灰や臭い、落書き、スーツケースなどによる傷跡の3つは、発見すると一気に気が滅入ってしまいますよね。しかし、それでも次の宿泊客のために部屋をピカピカにするのが客室清掃スタッフの仕事。頑張って汚れを落とすしかありません。
これらの汚れを落とすのは簡単ではありませんが、コツをつかめば短時間できれいにできるようになります。大変だからこそやりがいがあると思い、力を入れて掃除に取り組みましょう。