TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

世界の学校の掃除事情。日本の学校の掃除の歴史と清掃員との関わりとは
2019.09.03 お掃除コラム

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学校の授業が終わったら、部活動を始める前にみんなで割り当てられた場所の掃除をする。日本人であれば、小学校入学から高校卒業まで当たり前のように行ってきたことだと思います。

しかし、実は世界的に見ると日本のように生徒に掃除をさせる国は少数派。ここでは、意外と知らない世界の学校の掃除事情と日本の学校清掃の歴史についてみてご紹介します。

生徒が学校を掃除するのは日本だけ?

Schoolgirl near the school board

学校に通っていた頃、授業の後に掃除をすることに何の疑問を持っていなかった人は多いのではないでしょうか。「自分たちが使った教室を自分たちで掃除するのは当たり前」と、掃除を義務として受け入れていたと思います。
しかし、海外の国々では生徒に学校清掃をさせることは多くありません。これは、ほとんどの国にとって清掃は「作業・職業」であり、「学習内容」ではないためだとされています。世界105カ国を調査した出典によると、生徒が掃除を行う国は34.3%、清掃員に掃除を任せる国は58.1%となっています。

例えば、アメリカでは大部分の学校で清掃員が学校清掃を行っています。これは「作業を清掃員に任せることで学生が本分に集中できる」という考え方にもとづいており、生徒自身が学校を掃除するべきという考え方は主流ではありません。その一方で、生徒がゴミを拾わない、机にチューインガムが貼り付いているなどの、生徒に掃除をさせないゆえの問題点も指摘されています。このような現状から、生徒による学校清掃を取り入れるべきだという声も増えているようです。

そのような状況に対して、新たに学校清掃を導入した国がシンガポールです。
従来はアメリカと同様に清掃員を雇うことが一般的でしたが、2016年に生徒に毎日の清掃を義務付ける政策を実施しました。
シンガポールの教育省MOEは、「日本や台湾にならって学校清掃を導入した」と明言しています。

この政策に対する国民の反応はさまざまで、「子供のしつけになる」「経費削減になる」と賛同する人もいれば「勉学に支障が出る」「雇用が減る」と懸念を示す人もいます。

日本の学校の掃除の歴史と文化

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日本は当たり前のように根付いている学校清掃の文化は、どのようにして始まったのでしょうか。
その起源だとされる要因は大きく2つあります。1つは剣道、柔道、華道、茶道などの「道」の存在で、もう1つは仏教です。
剣道や柔道の経験者なら分かる人も多いと思いますが、武道の世界では稽古場をきれいに保つことをとても大切にしており、稽古の前後には必ず道場を掃除することで心を磨くとされています。

また、仏教の修業は「一に作務、二に勤行、三に学問」といわれています。そして、一の作務の代表的なものが掃除です。
このことから、僧侶の修行においてはお経を読んだり勉強をしたりするよりも掃除のほうが優先順位が高いということが分かります。

これらによって仏教や各武道などが古くから盛んだった日本では学校清掃が当たり前となり、自分の場所を自らの手できれいにすることを学ぶようになりました。
日本人が協調性や思いやりを高く評価されるのは、学校清掃による学びのおかげもあるといえるでしょう。

日本の伝統文化の学校清掃

日本人にとっては当たり前になっている学校清掃ですが、世界的には意外と少数派であることがおわかりいただけたでしょうか。
生徒が学校を掃除するのは清掃員を雇うコストを削減するためではなく、教育上のさまざまな意味合いが込められています。

しかし、近年では少子化が進んだことから従来のような清掃が難しくなっており、掃除の文化をどのように残すか議論されることも増えてきました。
「どのように効率的に少ない人数で教室をきれいにするべきか」という課題にテラモトは清掃道具という視点でアプローチを続けています(詳細はこちら)。