TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

働き方改革が本格化!残業削減などに役立つオフィス清掃「5S」のポイント
2020.05.13 お掃除コラム

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2020年4月1日、大手企業に同一労働同一賃金が導入されると同時にみずほ銀行などが副業を解禁するなど、「働き方改革」による職場環境の変化が顕著になっています。働き方改革の大きな柱である「長時間労働の是正」では、残業時間の削減が課題の一つとして挙げられています。今回は業務効率化、残業削減につながるオフィス清掃と整理整頓について解説します。

働き方改革とは

働き方改革とは、2008年以降減り続けている日本の人口に伴って顕著になっている「労働不足」を解消するために政府が注力している一連の政策のことです。働き方改革には「長時間労働の是正」、「正規・非正規の不合理な処遇差の解消」、「多様な働き方の実現」という3つの柱があります。このうち、「労働時間の是正」を実現するために業務の効率化が重要な要素とされています。
各企業は労務管理システムの是正、業務分担の抜本的な見直しなど、各企業が業務効率化に向けた施策を打ち出しています。そのなかでも、費用や時間をかけずに効率よく業務を行える方法として「職場の清掃・整理整頓」が注目されています。その具体的な方法を以下で紹介します。

出典:厚生労働省「働き方改革の実現に向けて」

汚い職場は業務効率が悪い?業務効率化の基本は「5S」

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職場の掃除をしたいけれど、どこから手を付けていいのか分からない……。そのような人は、まずはスマートに仕事をこなす基本である「5S」を理解しましょう。5Sとは整理、整頓、清掃、清潔、しつけの頭文字に由来するスローガンです。元々は日本の製造業の現場で使われていましたが、今では幅広い業種や海外にも広まっています。それぞれの概要を以下の表でまとめました。

■5Sの概要
5Sの内訳 内容
整理(SEIRI) 必要・不要なものを区別して、不要なものは処分する
整頓(SEITON) 必要なものを使いやすい場所に置くこと
清掃(SEISOU) デスクの周囲、オフィス全体を綺麗にしていつでも使えるようにすること
清潔(SEIKETSU) 整理、整頓、清掃を維持すること
しつけ(SITSUKE) 職場のルールを共有し、習慣にすること

それぞれの詳細を以下で確認しましょう。

5S実現のポイント1:整理

一般的なオフィス清掃と5S運動が異なるのは、掃除をする前の整理と整頓の存在だとされています。ただの掃除で終わらせないためには、あらかじめ仕事に必要・不要なものを判別する「整理」で基礎をつくる必要があるのです。整理における「不要なもの」とは、一般的に以下を指すことが多いです。

■5Sの整理における「不要なもの」
・古い伝票や資料
・個人の備品、文房具(共有にする)
・パソコン内のデータ
・在庫
・メールの連絡先
・名刺

ごく一部ですが、文房具などのハードからデータなどのソフト面まで、仕事に関わるもので不要なものはすべて処分します。また、デスク周りだけでなく倉庫にある在庫も処分することで、棚卸の効率化につながります。
整理を行う際は、備品の共有化、書類・ノウハウのデータ化を同時に図ることで、必要なものを絞り込むことができるとされています。

5S実現のポイント2:整頓

整頓のポイントは「顧客視点で必要なものを洗い出すこと」です。顧客の立場になって、職場の「探す無駄」、「使いにくい無駄」、「戻しににくい無駄」を徹底的に排除していきましょう。そして手元に必要なものだけが残った後は、それぞれを最適な場所に設置します。なにがどこにあるか分かりやすくすることで、仕事の無理、無駄、ムラを除去していきます。ポイントは「使う頻度の多いモノは手近に置く」、「使用後に戻しやすくする」、「持ち方や使い方によって置き方を変える」の3点です。
例えば、いつも使う資料や文房具はデスク上に配置。新規営業時に使う顧客リストは机の中。その他の資料はロッカーなどに収納することが多いです。キャビネットの扉を撤去して「戻しやすさ」を向上させた実例もあります。

5S実現のポイント3:清掃

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5Sにおける「清掃」とは、一般的な掃除とは異なった役割を持ちます。整理、整頓で必要なものだけが適切な場所に配置された状態を維持するための取り組みが清掃の大きな意味になります。具体的には、以下の仕組みを構築することで清掃を習慣化し、いつでもすぐに作業に取りかかれる状態を維持します。

■清掃のポイント
・いつ清掃するか決める(毎日、毎週、毎月、四半期に一回など)
・担当者、場所などを決める
・点検するモノを明らかにする

通常の掃除とは違い、各部署や会社全体で清掃を行います。その際、組織内で5Sの意義や清掃のルール、方法などを作成して共有することで効率化を図るほか、チームワークの向上も期待できます。清掃の方法は一般的な箒や雑巾掛けなどが多く、きちんと整頓した場所が綺麗に保たれているか、ダブルチェック体制を敷く企業もあります。

5S実現のポイント4:清潔

5Sに取り組む企業が最も躓きやすいポイントが、4番目のSである「清潔」だとされています。清潔とはこれまでの「整理、整頓、清掃」の3Sが組織内で正しく、継続的に維持することを指します。つまり、5Sを導入した時点では清潔は実現できておらず、不必要なものを処分する「整理」、必要なものを正しい位置に配置する「整頓」、組織内のルールに従ってきれいに保つ「清掃」3Sを月、年単位で定着させて始めて清潔な状態だといえます。5S運動において、清潔を達成は大きなステップになると考えられます。

清潔の実現が難しい理由としては、3Sの方法が間違っていたり、5S運動の意義を社員が理解していなければ、継続的な活動が困難になることが挙げられます。3Sを継続するポイントは、PDCAサイクルを回して常にブラッシュアップを続け、経営者や従業員の垣根を越えた関係者全員のモチベーションを維持し続けることです。5S運動の責任者のリーダーシップやマネジメント力が大きなカギだといえるでしょう。

5S実現のポイント5:しつけ

5S運動における「しつけ」は、上司から部下への指導や子どもに対する親の躾とは意味が異なります。「整理、整頓、清掃」の3Sを正しく実現することで、5Sを実行する関係者にそれらが習慣化として根付いた状態のことを指します。行動ではなく、5Sが目指す最終的な状態、結果だということ理解してください。
この「しつけ」が行き届いた状態は、一朝一夕で実現できるわけではありません。それぞれが自発的に3Sに取り組み続けることで実現できるのです。

5S運動は計画が重要

5S運動を正しく実現することで仕事の効率化だけではなく、「在庫の回転率の上昇」、「サービスの質の向上」、「宣伝効果」、「社員の働くモチベーション向上」などの多くのメリットを得られます。ただし、先述のとおり、5Sを実現するためには長い期間、継続して行う必要があります。そのため最低でも半年間の計画とスケジュールを作成し、関係者全員に共有することをおすすめします。
5S運動は近年、海外でも注目を集めている職場改善の手法です。新年度を迎え、取り組み始める企業も少なくないので、5Sのそれぞれの意味を把握してから計画を策定し、実行してみましょう。