TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

ホテル清掃の大変なリネンの運搬など。客室清掃の現場改善方法と事例を紹介します。
2019.07.03 お掃除コラム

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人材不足が大きな問題になっているホテル業界。その中でも特に客室清掃員の確保は、ホテルや清掃業界にとって大きな課題になっています(詳細はこちらの記事を参照にしてください)。
特に現場の責任者や管理者は、「リネンの運搬」と「効率的なマニュアル作成」に頭を悩ましている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、リネンの運搬に関する改善事例まどについてまとめました。これから現場改善に取り組む責任者は必見です。

客室清掃員のリアルな意見。キツいと思う清掃のポイント

まずは客室清掃がキツいと思う業務のポイントをそれぞれ挙げてました。その詳細と課題解決に向けた業界や業者の取り組みと実例を確認していきましょう。

リネン類の運搬の関わる課題と解決事例

Pleasant maid. Young pleasant blonde-haired hotel maid holding white towels while working

客室清掃の重要な作業が、ショーツなどを入れ替えるベッドメイキングです。1日で10~15部屋程度、ベッドメイクすることが多い客室清掃員にとって大量のショーツなどを運搬するだけでも重労働。さらに濡れたタオル、ガウンなども回収・交換するとなると負担はますます大きくなると考えられます。最終的にはとても重いワゴンを押して部屋を移動することになるので、操作が難しいワゴンなどを使っている場合、無理をすると腰痛の原因になってしまったケースもあります。
また、リネンを交換するときは新しいリネンにシミやほつれ、痛みなどがないかを素早く、正確に判断する必要があるので、客室清掃の精神的な負担も考慮する必要があるでしょう。
このような現場の状況を改善するためには、運搬作業の効率化と負担軽減にアプローチする方法が有効的と考えられます。

アプローチの実例1:リネン運搬用ワゴンの軽量化と効率化仕様の取り組み

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テラモトでは、リネン交換に使う運搬用と回収用のワゴンの軽量化と作業効率化を目指して商品開発を進めており、「ホテルリネンワゴン」と「リネン回収ワゴン」を開発するなどリネン交換作業の負担軽減に取り組んでます。
例えば、ホテルリネンワゴンは客室清掃作業者の身体面の直接的な負担になる「運搬時の重量」については、軽量フレーム構造を採用することで軽量性能を強化。リネンの重みにも対応可能な耐久性も実現しました。さらにコンパクトな設計になっているので、宿泊客の通行のたびに移動する必要もありません。ワゴンのキャスターも従来のものよりも大きな直径125mmのサイズを採用することで、より軽い力で移動することができるように工夫されています。
また、リネン交換の作業の効率化にもアプローチしており、三面からカバーを開けるようにすることでさまざまなシーンに適した作業ができるほか、リネンの出し入れの省力化なども実現しました。
リネン回収ワゴンは、「ワゴンの容量が作業する回収量よりも少なく、何度もパントリーと部屋を往復しなければならない」という状況を解決するためにワゴンの連結を簡素化。回収量に応じて簡単に1度に運搬できるワゴンの数を増やすことで、作業者の負担軽減にアプローチしています。

アプローチの実例2:清掃収納棚の設置による取り組み

鹿児島県にある約60室の旅館では、ベッドメイキングの際に客室とパントリーの上下移動を繰り返す必要があり、作業時間の増加と客室清掃員の負担が掛かっていました。これを解決するために、旅館は各階にリネン類や寝具、備品などを収納できる棚を設置。上下移動の軽減することで、作業者の負担軽減と作業時間の短縮を実現しました。
また、この取り組みのおかげでそれまで外部委託していた客室清掃の内製化を実現。月の委託費100万円を80万円まで削減できました。

アプローチの実例3:清掃用具の導入による取り組み

これまでマンパワーに頼っていた客室清掃に新たに清掃道具を導入することで、作業効率をアップした事例もあります。北陸地方にある約20室程度の小規模の旅館では、満室の場合ではパート6人で清掃作業を行っていましたが、終了時刻から30分ほど遅れることが常態化していました。その大きな原因である「一部屋ごとにカバーやシーツを回収している」ことを解決するために、ワンフロアを一度に回収する方針に業務の流れを一新。まとめて回収できるようにワゴンなどの運搬用具を導入しました。その結果、前述した事例と同様にパントリーに戻る時間を削減でき、これまで1つの作業に5分程度掛かっていた時間を2分30秒まで短縮できました。

清掃マニュアルに関わる課題と解決事例

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前述のとおり、客室清掃は決められた時間内で各客室の清掃を完了しなければならないため、時間との戦いになることが多いです。その際にボトムネックになるのが「客室清掃員の個人スキルやモチベーション」、「非効率的な客室清掃員の管理」などが挙げられます。個人のスキルに偏りがあると、スキルの高い人のノルマが増えてしまうことで優秀な人材の離職にもつながるリスクがありますし、どれだけ個々のレベルが高くても全体の清掃業務を効率的に行えなければ、待機時間が出てしまうなどタイムロスが発生してしまう恐れがあります。
このように清掃員の個人のレベルアップと同様に、清掃業務の管理を一から見直すというソフト面の改善もホテル清掃の職場改善には必要な手段の一つです。それらの事例を1つご紹介しましょう。

アプローチの事例:マニュアルの作成による作業時間の短縮

山口県にある約20室ほどの温泉旅館では、作業マニュアルが作成されておらず、個人の清掃スキルによって作業品質に差がありました。また、作業の重複や待ち時間などの無駄な時間や作業が散見されていたといいます。
また、この温泉旅館の客室は全室仕様が異なっており、優先順位や清掃する部屋の数などが毎日変わっていました。作業チームの人数などが適切に配置できておらず部屋の間取りによって清掃時間が13~59分と大きな差がありました。そのような状況を解決するために、以下の施策を行いました。

1. 一人一室作業の実施

・清掃作業の重複を避けるために、効率化と責任範囲を明確化。
・部屋のタイプによって作業人員の適正化。
※客室を「風呂付き客室」と「風呂なし」の2タイプに分類。「風呂なしタイプ」は1室1名、「風呂付きタイプは1室2名を基本とした。

2. 一人一室を前提とした標準作業の確立

・客室清掃の作業マニュアルを作成。
・部屋毎に標準作業と標準時間を設定。
・部屋毎の作業を標準時間以内に終了させるようにした。

3. 清掃用具の改善

・より効率的、かつ衛生的な清掃用具に改めた。
※糸くずがでないマイクロファイバー製のダスターの採用など
清掃箇所毎に清掃用具を色分けなど
・更なる効率化に向けカート導入を予定している。

4. 作業指導

・全ての作業者が設定された作業品質を標準時間内で行えるよう指導することにした。

上記のアプローチしたことで、改善対象となった客室の平均で 11.86% の時間削減を実現しました。

ハードとソフトの両面から業務の効率化を実現しましょう

前述したとおり、道具やパントリーの距離を物理的に近づけることで作業効率化を実現した例はたくさんあります。
まずは自分たちの職場の課題を洗い出して、先進事例を学ぶことで、できることを発見してチャレンジしてみてはいかがでしょうか。