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客室清掃のプロなら分かって当然!?枕の種類とおすすめのメンテナンス方法
2020.11.18 お掃除コラム ホテル関連商品ブランドサイト 業界コラム

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客室清掃、ベッドメイクのコツやポイントでは「布団」や「シーツ」が注目されがちです。確かにそれらも重要ですが、忘れていけない寝具が「枕」です。枕は汚れや臭いなどに気が付きやすい傾向があるので、清掃の品質には特に注意しなければならないのです。今回は、客室清掃の品質向上に欠かせない「枕」に関する基本知識とメンテナンスの方法について紹介します。

枕素材の種類と特徴

ベッドルーム

シーツや布団、マットレスと同じように枕も「素材の種類」によって、寝心地やメンテナンスの方法が異なります。マニュアル通りで指示に従えば、問題がないことが多いですが客室清掃員としてスキルアップするのであれば、それぞれの特徴と担当する客室の枕の種類を把握してみてはいかがでしょうか。代表的な枕の素材を以下でまとめたので、確認してみましょう。

枕の素材1:低反発ウレタン

一般家庭用を含めた寝具で今、人気が高まっているのが「低反発素材」です。枕も例外ではありません。ウレタン素材の枕のメリットは、頭の形・重さにフィットする「寝心地の良さ」です。横向き、仰向けなどの個々人の睡眠姿勢に適した形状になるので、体の負担も少なく、多くの人が利用するホテル向きの寝具ともいえるでしょう。ただし、ウレタン素材は他と比べると、メンテナンスに注意を払わなければならない点が多いのが大きなデメリットです。

低反発ウレタン枕のメンテナンスの注意点

寝心地の良さから人気が高い低反発ウレタン枕ですが、少なからず短所もあります。特にベッドメイクにおいては、気を付けないと「枕の寿命が縮んでしまう」可能性もあるので注意が必要です。まずは、以下の注意点を把握しましょう。

■低反発ウレタン枕の注意点
・蒸れやすい
・基本的に水洗いできない
・寿命が元々、長くない
・洗剤に弱い
・日光に弱い

以上が低反発ウレタン枕の代表的な注意点です。水分と日光に弱いため、洗濯機による洗浄や天日干しに不向きという点が、ウレタン素材の大きなウィークポイントといえるでしょう。夏場、梅雨時期の蒸れは睡眠時の不快感にもつながる恐れがあるので、客室の湿度にも注意を払い、あまりにもひどければ枕の差し替えも検討する必要があるでしょう。また、水洗いできるウレタン枕もありますが、基本的には手洗いです。また、寿命は2~3年程度とされており、他の枕と比べると正しく管理しても長寿命とは言い難いです。

枕の素材2:ソフトパイプ

比較的安価で、ホテルや家庭問わず幅広く使われているのが、プラスチックの一種である「ポリエチレン樹脂」を細かく切って詰め込んだ「ソフトパイプ枕」です。パイプのようにカットした形状に由来して「パイプ枕」とも呼ばれることがあります。低反発ウレタン枕のように、頭の形にジャストフィットするわけではありませんし、枕の中のパイプが長いと違和感を覚える人もおり、すべての人が寝心地が良いと感じる素材ではありません。ただ、パイプの量を調節することで高さを変えられるほか、パイプの大きさや種類も幅広く、根強い人気がある素材です。また、適切にメンテナンスすれば寿命が長いのも大きなメリットといえるでしょう。

ソフトパイプ枕のメンテナンスの注意点

一般的にソフトパイプは洗濯・天日干しできる素材とされています。ただし、中には洗濯に不向きな製品もあるのでまずは枕のタグなどを確認してみましょう。

■ソフトパイプ枕の注意点
・乾きにくい
・他の洗濯物と一緒に洗えないので手間がかかる

天日干し可能なソフトパイプ枕でも、ただ日光に晒すだけでは十分に乾かしにくいです。少なくとも1~2時間に一度は、ひっくり返して日光に当たる面を変えるようにしましょう。また、臭いなどをより除去するには洗濯機にシーツや他の枕と一緒に入れるのはおすすめされていません。そのため、リネン室や施設内のランドリーなどで洗濯する際は、少々効率が悪いことも覚えておきましょう。

枕の素材3:そばガラ

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民宿や昔ながらの旅館などで、未だに使われているのが昔ながらの「そばガラ」を中に詰めた枕です。そばアレルギーの人が使えず、ダニや虫が発生しやすいというデメリットがありましたが、枕の防虫処理による衛生面の改善や事前のアレルギーの確認などによってそばガラ枕を備え続けている宿泊施設もあります。そばガラは、日本の気候にあった天然素材なので通気性が良く熱がこもりにくいなど、環境に適した使用感が得られることが大きな特長です。また、枕の硬さも多くの日本人に適したほど良いものが多いです。

そばガラのメンテナンスの注意点

そばガラは天然素材ならではの注意点があり、また元々の耐久性もそこまで高くはありません。通気性が良いので、低反発ウレタン枕のように普段からこまめに環境をチェックする必要はありませんが、できるだけ長く使うには定期的なメンテナンスは必須といえるでしょう。

■そばガラの注意点
・水洗いできない
・乾燥させる方法が少し特殊

以上がそばガラのメンテナンスの注意点です。そばガラは乾燥させた天然素材のため、水分に非常に弱く水洗いしてしまうと「腐敗」してしまう可能性がとても高いです。水洗いできるそばガラ枕もありますが、「そばガラは乾燥して手入れする」と覚えておきましょう。そばガラの乾燥方法は、新聞紙などにそばガラを広げ、天日干しすることが基本です。そばガラはとても軽いので、干す場所はしっかりと選び、風が強い日などは避けましょう。

枕の素材4:羽毛・羽根

ホテルなどで使われることが多いのが「羽毛・羽根」を使った枕です。柔らかくて高級感がある素材なので、特にグレードが高いホテルでは採用率が高いです。素材としての「羽毛と羽根」は、実は別物で羽毛の方が柔らかく、羽根枕は少々硬めになることが多いです。

羽毛・羽根枕のメンテナンスの注意点

羽毛・羽根枕ともにダッグやグースなどの動物から採取した天然素材です。その特性上、同じ天然である「そばガラ」とは違った手入れが必要です。その代表的な例を紹介します。

■羽毛・羽根の注意点
・メンテナンス不足が「獣臭」の発生の原因
・天日干しは非推奨
・洗濯は非推奨
・水洗い

羽毛、羽根素材の洗濯は基本的に推奨されていません。ただし、使用するにつれて人間の頭の皮脂が羽毛に付着すると「獣臭」が発生するリスクが高まります。そのため、ホテルでは一般的に定期的にプロの業者に洗濯を依頼することが多いです。さらに不快感の発生を防ぐためには、定期的な羽毛、羽根枕の「日陰干し」がおすすめです。方法は簡単で、まずは枕を揉みこんで叩いた後に日陰で半日ほど干すだけです。臭いの原因になる枕内部の湿気を飛ばすことで、臭いの発生を予防することができます。天日干しは素材が傷む原因になるので、干す場所は必ず日陰にしてください。

枕の種類ごとに正しいメンテナンスを

枕カバーの交換・洗濯は日常業務であっても、枕自体のメンテナンスを毎回行っている人はそう多くはないのではないでしょうか。今回、紹介した枕のように定期的な洗濯以外でも、少しだけ手入れするだけで枕の寿命を延ばせるほか、異臭などの原因を防ぐこともできます。まずは職場や現場で採用されている枕の素材をチェックして、日常業務に取り入れられるメンテナンス方法を模索してみてはいかがでしょうか。