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オフィスにもカビは発生する!梅雨前にやるべきカビ対策と掃除方法は
2020.06.04 お掃除コラム

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カビの発生場所と言えば「水回り」というイメージがあるかもしれませんが、実はオフィスでもカビは発生します。特に梅雨時期は、オフィスでもカビに注意しなければなりません。仮に正しいカビ対策がされない場合、毎日オフィスで10時間近くカビを吸い込み続けることになるのです。
今回は研究結果などに基づき、カビがもたらす恐ろしい健康被害を紹介した後、オフィスで簡単に実施できるカビ対策を紹介します。

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オフィスにカビが発生するとどうなる?

オフィスにカビが発生すると、従業員に様々な健康被害が生じることが予想されます。なぜならば、労働安全衛生総合研究所の調査により、カビは以下のような健康被害をもたらすことが示唆されているからです。

■カビが引き起こす健康被害

健康被害の種類 身体症状
感染症 体内でカビが増殖することで発症。皮膚では水虫や脂漏性皮膚炎、口腔内では粘膜の異常、呼吸器系では肺炎の原因になる。
中毒症状 カビが生み出す「カビ毒」により発症。肝臓癌,腎臓癌などの原因になる。
アレルギー 人体がカビに対して過剰に免疫反応を起こすことで発症。喘息,過敏性肺臓炎,アトピー性皮膚炎などが生じる。
シックビル・シックハウス症候群 カビが放出する「MVOC」という科学物質が原因で発症。咳,湿疹,倦怠感・頭痛・めまいなどを引き起こす。

このように体のあらゆる部位に対して悪影響を及ぼすとされているのです。一方で、あまり実感がない人もいるかもしれません。実際、心身の不調が何によって引き起こされているのか正確に把握することは難しいでしょう。しかしながら、有害なカビは何種類も存在し、それが梅雨時に増加することは事実です。その大きな理由はカビの大好物である「湿気」が増えることが挙げられます。だからこそ、適切な対策で従業員を守りましょう。以下ではオフィスに生える代表的なカビを紹介します。

※出典:労働安全衛生総合研究所「作業環境中におけるカビと健康影響」

オフィスに生えるカビ1:黒カビの特徴

黒カビの特徴は「繁殖力」です。低温や乾燥に強く、家屋の至る所で発生します。また、アレルギーや喘息の原因になります。エアコン内でも増殖するので、オフィスのエアコンは清潔にしておきましょう。

オフィスに生えるカビ2:ススカビの特徴

ススカビの特徴は「胞子が大きく、軽い」ことです。軽いため空気中に長時間浮遊しやすく、大きいため鼻腔内に蓄積しやすいといわれています。また、アレルギー性鼻炎の原因にもなります。

オフィスに生えるカビ3:赤カビの特徴

赤カビの特徴は「毒性の強さ」です。自然界ではトマトなどの野菜、植物を腐敗させることで知られています。人体にとっても有害で、赤カビが放出するカビ毒は重篤な中毒症状を引き起こす原因になります。

オフィスでカビが生えやすい場所

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カビが発生するには「栄養」、「温度」、「水分」などが必要です。温度は25℃前後、湿度は80%以上がカビの生育に最適とされています。しかしながら、温度や湿度がカビの生育に適していなくとも、その他の条件が揃うとその限りではありません。例えば乾燥した環境でもほこりが多ければ、それをエサにしてカビが発生するのです。そのため、カビが生えやすい場所を把握し、適切に衛生管理する必要があります。オフィスにおいては、主に以下の場所を清潔にしておきましょう。

カビの生えやすい場所1:エアコン

エアコンは吸い込み口から部屋の空気を取り込みます。そのため、必然的にエアコン内部にはほこりが蓄積されますが、これがカビの栄養となり、カビが増殖するのです。そのまま放置しておくと、最終的に大量のカビがオフィスに飛散することになるので、定期的な清掃が重要です。ただし、他の掃除場所に比べて手間が大きいと思われるため、オフィスの規模やエアコンおよび空調設備の数や構造に応じて、業者に依頼するのも良いでしょう。

カビの生えやすい場所2:窓辺

窓辺は雨水や結露などの影響で、湿りやすい場所です。水分はカビの好物なので、少しでも放置しておくとカビが発生してしまいます。実際、パッキン部分やサッシの黒ずみのほとんどがカビだといわれています。冬から春にかけては室内と屋外の寒暖差によって結露ができやすいので、この時期に発生したカビが梅雨時期に爆発的に繁殖しないよう、あらかじめこまめに掃除しておきましょう。

カビの生えやすい場所3:水回り

トイレ・給湯室などの水回りは湿気が多く、カビが発生しやすいです。例えば、シンクの隅や蛇口付近に黒カビが発生することが多いです。清掃担当を決める、あるいは清掃業者を雇うなどして定期的な清掃を実施しましょう。

カビの生えやすい場所4:冷蔵庫内

冷蔵庫内は寒く乾燥しているため、一見するとカビは発生しづらいように思えますが、食材などを栄養にして徐々に増殖していきます。また、食材自体に生えるカビだけではなく、食材からにじみ出た水分などが冷蔵庫内にこぼれてしまうと、そこからカビが繁殖する場合もあります。

カビの除去方法

カビの除去の基本は「殺菌」と「汚れ落とし」です。どちらかが欠けても適切な除去はできません。なぜならばカビ自体の除去はもちろんのこと、カビの胞子は栄養を求めて空気中を漂っているので、エサとなる汚れを残してはいけないのです。そこでここではカビの除去に必要な道具や具体的な手順を掃除場所別に解説します。

カビの除去に必要な道具と手順:窓辺

■使う道具
・塩素系漂白剤
・雑巾(スポンジも可)
・キッチンペーパー
・ゴム手袋

■手順
1.黒カビで黒ずんだ部分を水拭きする
2.取り切れない黒カビに塩素系漂白剤を吹きかける
3.漂白剤の上にキッチンペーパーをかぶせ、15分間放置
4.新たに乾いたキッチンペーパーを用意し、黒カビ部分を拭う
5.再度しっかりと水拭きする
6.乾拭きする

カビの除去に必要な道具と手順:水回り

■使う道具
・中性洗剤
・スポンジやブラシ
・キッチンペーパー
・ゴム手袋

■手順
1.スポンジかブラシに洗剤をつけ、カビ・汚れの部分を擦る
2.水で洗剤をしっかりと洗い流す
3.蛇口まわりはキッチンペーパーか布巾で乾拭きする
4.全体をキッチンペーパーか布巾で乾拭きする
※カビが酷い場合には中性洗剤でなく塩素系漂白剤を使用する

カビの除去に必要な道具と手順:冷蔵庫内

■使う道具
・アルコール除菌スプレー
・キッチンペーパー
・綿棒

■手順
1.カビの生えた食品があれば処分する
2.アルコールを庫内全体に吹き付け、キッチンペーパーで拭う
3.扉部分のパッキンに詰まったごみを綿棒でかきだす
4.アルコールを含んだキッチンペーパーでパッキン部分を拭く

いずれにしてもカビが成長し、「コロニー」と呼ばれる大きな塊になる前に掃除すると良いでしょう。そうすることでカビの繁殖が最小限に抑えられます。

カビの予防方法

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カビの予防方法は「温度管理」「湿気の管理」「ほこり・汚れの除去」の3つが基本ですが、労働安全衛生庁(OSHA)によると、特に有効なのは「湿気の管理」のようです。また、具体的な湿気の管理方法として以下のことが推奨されています。オフィスのカビ予防に活用してください。

・水漏れの迅速な発見と修理
・結露の防止
・空調設備の定期点検
・室内の相対湿度を70%以下に調整
・給湯室やトイレの換気
・濡れた場所を見つけたら48時間以内に清掃・乾燥

これらの内、設備トラブルによる水漏れや空調設備の点検については専門業者に依頼するのが無難ですが、その他の項目は比較的簡単に実施できます。また結露の防止について、最近では結露防止スプレーやシールなど便利なグッズが販売されているので、状況に応じて活用しましょう。除湿器や換気扇などで湿気の管理を優先的に行い、その上でほこりなどを取り除くことでカビの予防はより万全になるでしょう。

オフィスでのカビ対策は予防と除去の両立を

カビはオフィスの至る所で発生し、従業員の健康に悪影響を及ぼします。そのため繁殖力が高まる梅雨に向けて、会社全体で万全の対策を講じなければいけません。具体的にはカビの発生時に素早く除去できるよう、清掃用具のストックがあるか十分に確認しておきましょう。一方で日頃から換気や除湿などを心掛け、未然にカビの発生を防ぐことも重要です。一度繁殖が広まってしまうと、清掃の手間も増え、結果として健康被害やコストも増大する可能性があるからです。本記事で解説した予防・除去方法を参考にカビの恐怖から会社を守りましょう。

※出典:一般財団法人東京顕微鏡院「カビ対策のいろいろ(室内のカビを増やさないために)

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