TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

制菌の意味とは。抗菌との違いや生地、加工方法などの基礎知識
2021.06.09 業界コラム

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新型コロナウイルスの影響で、生活のいたる所で衛生管理が求められるようになりました。
その中で「消毒」「除菌」等の用語が頻繁に使われていますが、「制菌」はご存知でしょうか。本記事では制菌の概念や類似語との違いについて、清掃用品メーカーである弊社の情報や、医療用品メーカーのHP等をもとに解説します。
最後には、制菌加工を施した弊社のクロス等も紹介しますので、購入を検討されている方はご確認ください。

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制菌とは

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制菌とは繊維に付着した特定の細菌が増殖するのを抑制することです。そして、このような作用をもたらす加工を「制菌加工」と言いますが、あくまで「抑制」であり、全てを死滅させるという意味ではありません。このように表現すると効果が少ないように感じるかもしれませんが、制菌には「複数」の有害細菌の増殖を抑制できるという強みがあります。
例えば、お家で使う抗菌スプレーは臭いの素である黄色ブドウ球菌に作用しますが、制菌はそれ以外の有害細菌に関しても、丸ごとを抑制することができるのです。
なお、製品の用途によって、家庭等で使用される「一般用途」と、医療機関で使用される「特定用途」に分かれており、抑制できる細菌の種類が異なります。以下にその概略図を示します。

■制菌の効果範囲の比較

制菌効果が認められる菌 黄色ブドウ球菌 MRSA 肺炎桿菌
一般用途 ×
特定用途

このように、より徹底した衛生管理が求められる特定用途では、制菌の効果範囲が広くなるイメージです。いずれにしても制菌加工は製品の衛生面を維持する上で大切な技術だということが分かります。ちなみに制菌加工は、制菌効果・効果の耐久性・加工の安全性が審査され、基準をクリアした製品だけがSEKマークを表示することができます。
※SEKマーク…一般社団法人繊維評価技術協議会の認証制度(自主基準)

※関連ページ:制菌

制菌・除菌・滅菌・消毒の違い

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制菌と類似する用語に「除菌」「減菌」「消毒」があります。身近なところでは掃除用のスプレーやシートなどの衛生管理用品にこのような記載がありますが、それぞれ違う意味を持っています。ここでは制菌とこれらの相違点を順に解説します。

除菌とは

除菌とは、対象物から菌を取り除くことです。シート等で物質表面を拭きとったり、水で手洗いすることがそれにあたります。その他、洗剤や漂白剤などの雑貨品の表示にも使われます。そして制菌との違いは、菌自体を「積極的に取り除く」ことです。制菌はあくまで繊維状の菌の増殖を抑制することを指しますが、除菌は抑制でなく除去です。各分野で様々な定義づけがなされる言葉ではありますが、いずれも「菌を取り去ることで全体数を減少させる」のが特徴だと言えるでしょう。

減菌とは

減菌は、有害・無害に関係なく菌を全滅させることです。日本薬局方では、微生物の生存する確率が100万分の1以下になることと定めています。もしかすると、「殺菌」という言葉の方が強力なイメージがあるかもしれませんが、減菌こそが菌に対する最も強いアプローチです。そのため、人体ではなく、器具に付着した菌に対して使われる言葉だと考えられています。なお、減菌と制菌の違いは、除菌と同様に菌を積極的に減らす対応であることです。
ちなみに「殺菌」は消毒薬などの医薬品や医薬部外品で使われる用語ですが、効果の大きさを示すものではないので、菌の一部を滅しただけでも「殺菌した」という解釈がなされます。

消毒とは

消毒は、菌を死滅・除去することで「無毒化」することです。つまり、全ての菌が死滅しなくとも、感染力がなくなったり、害のない程度まで減らせばそれは「消毒した」ということになります。
制菌との違いは毒性に注目しているか否かです。制菌は消毒と異なり、菌の数を増殖させないよう抑制することに焦点を当てた用語です。

※関連ページ:清掃のプロなら知っておくべき抗菌、除菌、殺菌、消毒、滅菌の違い

ここまで制菌の定義について説明してきました。使用シーンとしては、医療関係者のマスクや白衣、シーツや衣類などの繊維製品で活用されています。以下ではこれらの繊維製品を制菌加工する方法と、制菌加工された生地がどのような効果を持つのか解説します。

制菌加工の方法

制菌加工の基本は、繊維に薬剤を含ませることです。そして薬剤を含ませるタイミングによって、下記の2種類に分かれます。
1.練り込み方式
合成繊維を作る前の原料の段階で薬剤を練りこむ方法です。洗濯しても制菌効果が持続するのがメリットです。ただし、繊維の内部だけでなく、表面が薬剤でカバーされていないと効果が得られないので、大量の薬剤を練りこまないといけないというデメリットがあります。
2.後加工方式
こちらは糸に薬剤を後加工する方法です。細かく分ければ噴射式とディプ式があります。練りこみ方式と比べると設備コストが低いのがメリットです。一方で、練り込み方式と比べると、薬剤が表面的に固着しているという特徴があるので、耐洗濯持続回数が少ないのがデメリットです。

制菌加工された生地の効果

制菌加工された生地では、様々な菌の増殖が劇的に抑えられることが明らかになっています。和歌山県に本社を置く某繊維製品関連メーカーの研究では、未加工の生地と制菌加工済みの生地を対象に、有害菌の繁殖具合を比較しました。本研究では黄色ブドウ球菌や肺炎かん菌、MRSAなどを比較していますが、いずれも僅か18時間後には、菌数に数万倍の差が生まれました。さらに制菌加工された生地に関しては、菌数が急激に減少していました。
このことから、制菌加工生地では有害菌の増殖が抑制されるだけでなく、菌数が減少することが分かります。なお、このようなメリットを生かし、実生活では上述の医療関係者の衣類の他、主に以下の用途で用いられています。

・スポーツウェアやタオルのニオイ対策
・寝具(病院の布団、シーツ、枕カバー等)のダニ対策
・靴下やバスマットの雑菌対策

制菌加工の清掃備品1:FX制菌クロスTioTio

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ここでは弊社の制菌加工商品である「FX制菌クロス」をご紹介します。オフィスはもちろん家庭でも便利な商品で、鏡・ガラス、テーブル、ドアノブ、スイッチ類、ステンレスなどマルチに活用できます。また、TioTio加工を施すことで、制菌、抗菌防臭、安全性を実現しています。下記の様なお悩みがある場合は本商品で解決できます。

1.洗濯後の消毒作業が面倒
クロス自体に制菌加工がしてあるので、干すだけで細菌の増殖が抑えられます。

2.洗濯後の臭いが気になる
臭いの素である黄色ブドウ球菌などの有害細菌増殖を抑制します。

3.拭き残しが気になる
高機能のマイクロファイバークロスなので、拭き残しは少なく、作業時間が短縮されます。

※関連ページ:FX制菌クロスTioTio

制菌加工の清掃備品2:FXメッシュ替糸ループ 制菌 300g

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制菌加工糸を使用したモップ糸です。衛生効果が高いことが特徴で、病院でも使用できます。衛生効果の要となっているのが、繊維に含ませた抗菌剤です。洗濯耐久性もあるので、長期間制菌効果が持続します。また、糸の先端がループ形状、さらにテープ加工を行うことでほつれにくいのも魅力です。糸もぬけにくいので、適切な衛生管理が可能です。
なお、先述のSEKマークも取得しているので、繊維状の細菌の増殖を抑制する効果が、公に認められています。

※関連ページ:テラモト「FXメッシュ替糸ループ 制菌 300g イエロー

制菌加工は有害菌の増殖を強力に防ぐ

今回は制菌の概要や似たような用語との違い、そして制菌加工がなされた清掃備品について解説しました。
衛生管理における制菌の有用性がご理解いただけたかと思います。
事業者の方はもちろんですが、ご家庭でも制菌を行いたい方は「FX制菌クロスTioTio」をはじめとする衛生管理用品をお試しください。速乾性にも優れるので普段使いに大変便利です。
不快な臭いの素や感染源を断つことで、快適で安全な生活を実現しましょう。

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