TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

転倒、落下、熱中症…。オフィスや事務所で注意すべき労災事故の防止方法
2021.07.07 業界コラム

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労災事故の発生場所として真っ先にイメージされるのは、工場や現場での作業かもしれません。このような業種で大怪我や死亡事例があるのは確かです。
しかし、転倒、落下、熱中症などは様々な業種で起こりえる労災事故なので、オフィスでも適切な対策が求められます。
そこで本記事では労災事故の基本知識・概要から労災事故の主要な防止方法まで、厚生労働省などの情報をもとに解説します。

「労災事故」ってそもそもなに?

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「労災事故」は、労働災害による事故です。まずは労働災害の意味から説明しましょう。労働安全衛生法において、労働災害は「労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。」と定義されています。そして厚生労働省が第三次産業向けに公開している資料では、「労働災害による事故」を「労災事故」と表現しています。

つまり「労災事故」とは、労働者が就業時や通勤中の事故で、病気、怪我、あるいは死亡することを意味します。事故の具体例としては「転倒」が頻発しており、2021年6月の1カ月だけで1万人以上が転倒しています(速報値)。
オフィスや事務所では製造業や建設業などに比べると、重大な労災事故は起きにくいかもしれませんが、対策を講じることは重要です。以下ではオフィスで発生しうる労災事故とその対策を順に解説します。

※出典:厚生労働省 山口労働局・労働基準監督署「働くあなたが労災事故に遭わないために
※出典:中央労働災害防止協会安全衛生情報センター「労働安全衛生法 第一章 総則(第一条-第五条)
※出典:厚生労働省「令和3年における労働災害発生状況について(6月速報値)

労災事故1:ドア周辺の事故

ドア周辺の労災事故の代表例は「衝突」です。ドアを開ける際、開けた先に人がいるのに気づかず、扉をぶつけてしまうのが典型的なケースです。

このようなリスクを排除すべく、兵庫県にある企業は衝突を防止するセンサーを開発しました。これはドアに人が近づくと、センサーが人を感知し、点滅とブザー音が鳴るというものです。ちなみにこのセンサーは、ドアに限らず曲がり角などにも設置できるので、オフィスだけでなく工場、学校、病院など様々な場所で応用可能です。

もう少し手軽な方法としては、ドアに注意喚起の掲示物を貼る方法があります。厚生労働省では「見えないリスク」を「見える化」することをテーマにプロジェクトを立ち上げており、その事例の1つとして、この方法が紹介されています。具体的にはドアに「ノックしましょう」といった掲示物を貼り付けることで、衝突事故を防ぎます。プロジェクト内の事例では各階の防火扉に設置することを想定していますが、会社の判断で衝突のリスクが高いドアに貼り付けることもおすすめです。

他に起こりうる衝突事故としては、「ガラスドアへの衝突」が考えられます。厚生労働省のヒヤリ・ハット事例において、事務所玄関のガラス扉に気づかず、顔面に打撲を負った人がいることが報告されています。幸いにもガラスは割れず、大怪我には繋がりませんでしたが、ドアが開いていると錯覚するリスクがあるのは確かです。この事故を受けて、本事務所ではドアの顔の高さに縦じまの模様を貼り付けるという対策を講じました。

2つの事例を紹介しましたが、いずれも「見えない」ことによって発生した事故です。ドア付近はもちろん、見通しの悪い場所には従業員の注意を促す工夫をしましょう。

※出典:厚生労働省「見えない”リスクの見える化で事故防止 – あんぜんプロジェクト
※出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト:ヒヤリ・ハット事例(激突)

労災事故2:熱中症

オフィスでは熱中症になりづらく、対策の優先度が低くなりがちです。確かに業種によって熱中症リスクに差があることは、厚生労働省の調査で明らかになっており、建設業、製造業、運送業といった肉体労働中心の業種で多く発生しています(2016~2020年)。

しかし、東京消防庁HPの熱中症の発生場所に関するデータ(令和元年6月~9月)によると、住宅等居住場所が2267人で全体の40.2%を占めています。この結果に対して、「同じ屋内でもオフィスと家では環境が違う」と思われる方もいるかも知れませんが、近年はテレワークの割合が増えているので対策が必要です。また、マスク着用は熱中症リスクを高めるので、オフィスでも油断は禁物です。以下でオフィスと家で出来る対策を順に紹介するので、ご確認ください。

■オフィスでの熱中症対策のポイント
1.こまめな水分補給
オフィスワークでは目に見えて汗をかくことは少ないですが、実は2時間でコップ1杯ほどの水分を失います。

2.室温のムラに注意
オフィスの広さ、エアコンの位置、人の数によってオフィスの温度にはムラがあります。場所によっては30℃を超える場合があるので、エアコンの温度を低めに設定したり、サーキュレーターを活用して、オフィス全体が28℃となるようにしましょう。

■テレワーク(室内)での熱中症対策のポイント
1. 換気後は部屋を冷やす
新型コロナの影響で、定期的に部屋の換気をすることが推奨されていますが、これが熱中症の引き金になることがあります。室温28℃を維持する様に意識しましょう。

2.屋外への散歩は慎重に
休憩時間に外に出る時は、気温をチェックしてからにしましょう。ただでさえ自粛生活で外気に触れる機会が減っているので、身体が暑さに慣れておらず、熱中症リスクが高まります。

※出典:厚生労働省「令和2年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)
※出典:東京消防庁「東京消防庁<安全・安心><トピックス><熱中症に注意!>

労災事故3:転倒

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労災事故のうち、最も多いのは転倒です。労災全体の約25%が転倒で、転倒した人の約6割が休業1ヵ月以上の怪我をしています。従業員にとっても会社にとっても痛手なので、転倒が起こる原因を知らなくてはなりません。厚生労働省の「STOP!転倒災害プロジェクト」では、転倒の原因を以下の3パターンに分類しています。

1.滑り
床が滑りやすい材質であったり、水や油が付着することで転倒します。

2.つまずき
床の段差や凸凹に躓いて転倒します。

3.踏み外し
階段を下りる時などに足元が見えず、踏み外して転倒します。荷物を持っているとき等に起こります。

このうち「滑り」に関しては、床にマットを敷くのが有効な解決策です。雨の日にはエントランスや廊下で転倒するリスクが一段と高まりますが、出入り口等にマットを敷き、靴底の水分を取り除くことで、転倒のリスクが低下するのです。ここからは、雨天時の転倒防止対策グッズとして、テラモトのマットを例に紹介します。

テラモトの雨天マットシリーズは、吸水性が高いのが特徴です。なかでも「ラインアート」、「ニューテラレイン」、「ネオレイン」という製品は雨天時の使用に最適です。ここではこれらの概要を説明するに留めますが、詳しくは弊社のカタログをご確認ください。

・ラインアート
吸水性と除塵機能を兼ね備えたマットで、雨天時だけでなく常設可能な製品です。繊維には再生PETを使用しており、環境に優しいマットでもあります。また、繊維は極太繊維と極細繊維を組み合わせているので、耐久性と吸水性を併せ持っています。色落ち・色褪せもしにくく、堅牢度にも優れるので、長くお使いいただけます。

・ニューテラレイン
ラインアートと同じく吸水性に優れていますが、さらに抗菌剤が加わったマットです。抗菌剤を施しているので、雨水による細菌繁殖を大幅に抑制します。こちらはエントランスだけでなく、通路、手洗い場、トイレ、風呂場の出入り口にも適した作りになっています。

・ネオレイン
ネオレインの特徴は高い速乾性能です。極細繊維を使っており、吸水・速乾性能が抜群なので、雨天時のエントランスに設置することで、転倒事故対策になります。なお、除塵力と保持力も兼ね備えているので、靴底の汚れが施設内に持ち込まれるのを防ぎます。

※出典:厚生労働省「転倒災害防止対策
※出典:厚生労働省「STOP!転倒災害プロジェクト 転倒災害について
※関連ページ:テラモト「雨天マット

オフィスでも労災は多発!油断せず対策を!

今回は労災事故の定義から、オフィスにおける労災事故の事例・対策について解説しました。長期休業を要するような事故が発生することも考えられるので、対策の重要性を感じていただけたのではないでしょうか。
労働者の不注意に起因することもありますが、事故が起きにくいような環境を整備することも同じく重要です。先述したマットのような製品を活用するなどして、安全な職場を実現しましょう。

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