TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

テラモトの“タンポポマット”に込められた思い~レトロ可愛いあの「マット」、もちろん今でも販売中です!~
2022.10.05 商品紹介コラム

タンポポマット

小学校や中学校の玄関、おじいちゃん・おばあちゃん家でよく見かけた、茶色・緑色・ピンク色のブラシが網目に編み込まれているマット。
きっと写真を見たら思い出すはずの、懐かしいアイテムです。

懐かしい気持ちになってしまう、この独特の形のマット。
「たわしマット」「泥落としマット」などいろいろな呼び方で覚えている人も多いはず。
このマットの本当の名前は――?
そして、一体いつから何の目的で作られたものなのでしょうか。

レトロ可愛いマット、その名は「タンポポマット」

“タンポポマット”――それがこのマットの正式名称です。
でも、使われている色や柄は、少しもタンポポというイメージではありません。
この“タンポポ”に込められた意味は、見た目ではないのです。
発売当初、「日本中の道端できれいな花を咲かせるタンポポのように、このマットも全国各地で愛され花開きますように」という願いを込めて名づけられたのです。
その願いが叶ったように、発売当初から全国各地でベストセラーとなり、日本製で丈夫な“タンポポマット”は、発売から30年たった1980年代でも年間約20万枚も売れていたそうです。
タンポポマット
※関連商品:タンポポマット

タンポポマットの歴史、実はとっても長いんです。

レトロ可愛いと言われるタンポポマット。“レトロ”ってどれくらい昔なのでしょう?
実は「タンポポマット」と名づけられ販売開始されたのは、1951年(昭和26年)。
その時日本は戦後から6年しかたっていませんでした。
昭和26年、日本にはまだテレビ放送がなかった時代。人々の娯楽はラジオが中心でした。
当時の日本の主な出来事としては
・NHK紅白歌合戦の第1回目が放送(ラジオ放送)
・東京の映画会社3社が合併して「東映」が設立
・日本初のカラー長編映画『カルメン故郷に帰る』公開
・全国の民間放送16社が事業開始、日本初の民間放送ラジオ局によるラジオ放送が始まる
・日本航空が設立
――と、戦後復興に向けて文化や事業が花開き始めた時代です。

誕生の裏にある、奉公先で見かけたマットからの試行錯誤

タンポポマットが生まれたのは1951年(昭和26年)ですが、すぐに完成したわけではありません。
戦前、テラモト創業者である寺本信一郎が奉公先で見かけた輸入品のマットから着想を得て、販売権を取得。
なんと最初のマットは今から90年近く前の、1927年(昭和2年)に販売されました。
針金で編まれていたマットに、泥汚れをもっとよく落とす方法はないかと試行錯誤した結果、たどりついたのが、ブラシを巻きつけること。
その時活かされたのが、創業者の生まれ故郷・和歌山県の名産品である棕櫚(シュロ)です。
シュロは日本原産のヤシ科植物で、木から採れる繊維は伸縮性があり腐りにくく加工しやすいもの。
今でもホウキの原材料として人気の高い素材です。
そんなシュロの繊維を加工して棒状にしたブラシを、スチール製の枠と網目に編み込んだ「新案マット」が1932年(昭和7年)に誕生。タンポポマットの前身となる商品です。
さらに改良を重ね、現在まで続くデザインのタンポポマットは1951年(昭和26年)に販売開始となりました。

昭和30年代以降、タンポポマットが普及したワケとは?

懐かしのアイテムと見られがちなタンポポマットですが、発売後は非常に画期的な商品として注目されていました。
昭和20年代後半~30年代。
戦後の復興がすすむなか、市街地や住宅街の道はまだまだ未舗装の場所が多かった時代です。
また、今に比べて農業を営む家庭もたくさんありました。
一方で、土足のままであがる洋風建築が新しく作られていきました。
そんな時代背景のなか、敷いているだけで靴についた砂や泥を落としやすくしてくれるタンポポマットは全国に普及していきます。
現在では、学校や工事現場で使われていることの多いタンポポマットですが、この頃から昭和後半にかけては一般家庭の玄関口に置かれている姿をよく見かけました。

ハードな汚れにも強いから、長く愛されています。

タンポポマットに使われているブラシは、固くて丈夫で細いことが特長です。
現在ではシュロに代わりポリプロピレン製の毛で出来たブラシが使われていますが、汚れを落とす力は変わりません。
マットの上で靴底を数回こすりつけるだけで汚れをかき出すことができ、靴底についた砂やホコリだけでなく、泥や雪といったハードな汚れもしっかり落とします。
今でも農作業をされる家庭では愛用され続けいることが多いそうです。
また降雪の多い地域では各家庭はもちろんのこと、店舗や施設などの入口に置き、雪をしっかり落とすことで室内の床が滑ることを防いでいます。
道路の舗装が進んだ現代でも、工事現場の事務所や、グラウンドのある学校や施設等でタンポポマットは活躍しています。

お手入れが簡単なところも、ロングセラーの理由のひとつ。

タンポポマットのもう一つの特長は、なんといっても丈夫なこととお手入れがしやすいこと。
その丈夫さは、工事現場などで使用されている安全靴などの汚れ落としにも耐えられます。
そして通常のマットと違い裏地がついていない事、そのまま水洗いができます。
汚れがたまったタンポポマットは、屋外で乾いた状態のまま土や砂埃をはらい落とします。
次にホースなどを使い、流水で網目ブラシにからまった汚れを洗い流します。
これだけで大抵の汚れは落ちますが、もし泥などハードな汚れが残っている場合は薄めた中性洗剤をかけ、デッキブラシ等で優しくこすり洗いをしてください。洗剤を使った時は残らないようしっかり洗い流しましょう。
最後に水気をしっかり切り、日陰に半日ほど干しておくだけで自然乾燥できます。
丈夫なタンポポマットの替え時は、編み込まれたブラシ部分が柔らかくなったとき。
実はブラシ部分は交換することができます。メンテナンスをして、同じものを使い続けるというサステナブルな一面も、タンポポマットにはあるのです。

変わらないところ、変わっていくところ。

1951年から長く愛用され続けているタンポポマット。
もちろん今でも販売されています。ご家庭の玄関先にちょうどいいコンパクトなタイプから、工事現場の事務所で使うのにぴったりの横長タイプ、学校や施設などで活躍する大きなものなど様々なサイズが、ずっと作られ続けています。
さらに、タンポポマットの良いところを受け継いだ新しい泥落としマットも開発されています。

軽量化と落ち着いたカラーで使いやすい“テラマットダイヤ”

テラマットダイヤ
タンポポマットの次に開発された「テラマットダイヤ」は、枠を樹脂製に替えることでかなり軽量化しました。
「テラマットダイヤ」は、タンポポマットの“レトロ可愛い”イメージのピンクのアクセント部分が、ブラウンやグリーンで統一された落ち着いたカラーのマットとなっています。
※関連商品:テラマットダイヤ

人工芝からヒントを得た新しい形の“ヨクトールマット”

ヨクトールマット
これまでの網目にブラシを編み込んだタイプではなく、太い葉っぱのような形のブラシが特長です。
丈夫でへたりにくく、マットの上に土砂や水がたまらず、汚れ落としの効果を損ないません。
タンポポマットとテラマットダイヤに比べると、「ヨクトールマット」は最も軽量化されているため、取り回しもしやすいマットになりました。
※関連商品:ヨクトールマット

時代を越えて長く愛されるタンポポマットと、そこから派生して誕生した新しいマットたち。
懐かしい気持ちと一緒に、その便利さをぜひ感じてほしい逸品です。

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