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客室清掃のミスはクレームに直結!水回りやカーペット、備品などのホテル掃除のコツ
2024.01.24 ホテル全コラム ホテル経営・マネジメント

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宿泊客により良いサービスを提供するためにも、日々の客室清掃は欠かせません。
限られた時間の中で、迅速かつ丁寧に客室清掃を実施するには、しっかりと研修を受けた清掃員が必要となります。
とはいえ、人手不足が続く宿泊業界において、清掃員の確保が難しく、客室清掃の品質を下げざるを得ない企業もあるでしょう。

しかし、客室清掃の品質を低下させることは、クレームや施設の悪評へとつながる恐れがあるのです。
ここでは、客室清掃とクレームの関係を解説するとともに、特に注意すべきポイントや具体的な解決策を紹介していきます。

客室の「汚れ」と「不潔感」がクレームにつながる

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まずは客室清掃とクレームの関係について見ていきましょう。
どういったポイントがクレームへとつながるのか、そしてクレームのリスクについて解説していきます。

※関連記事:客室清掃員にはお馴染み?ホテル清掃関連のよくあるクレームと解決事例

客室清掃で注意すべき汚れと不潔感とは

客室清掃では水回りの水垢やリネン類のシミなどの汚れに気をつけなければいけません。
また、目に見える汚れだけでなく、排水溝の髪の毛や客室内の臭いにも最善の注意をはらいましょう。

こうした汚れやゴミ、臭いが残った客室は、宿泊客に不潔な印象を与えます。
そして、これらが放置された状態で宿泊客を迎え入れてしまうと、クレームへと発展する恐れがあります。

つまり、客室清掃を実施する際には、宿泊客が不快感を抱くような要因をすべて取り除く必要があるのです。

客室清掃に対するクレームのリスク

クレームと聞くと、面と向かった口頭での苦情だけを想像するかもしれません。
しかし、昨今では宿泊客がクレームをするほどの不快感をサービスに感じた場合、口コミサイトやSNSでの悪評へとつながるのです。

近年の消費者は、利用するサービスを選択する際に、ネット上の評判も重視する傾向にあります。
そのため、口コミサイトやSNS上で悪評が広まってしまうと、サービス利用前に消費者の選択肢から除外されてしまうでしょう。
これでは、食事や景色など、自社独自の強みがあったとしても客足は減ってしまいます。

宿泊客からのクレームはネット上の悪評へとつながる恐れがあるため、客室清掃には力を注ぐことで未然に防ぎましょう。

客室清掃で注意すべき場所とモノとは

利用者からのクレームを避けるためには、品質の高い客室清掃が重要です。
では続いて、客室清掃を実施する上で、注意すべきポイントを見ていきましょう。
クレームにつながりやすい要因とその対策についても紹介していきます。

客室清掃の注意点のコツ1:水回り

浴室や洗面台、トイレなどの水回りでは、水垢や髪の毛などの汚れを取り除きます。
浴室の壁や鏡といった目に見える場所はもちろん、バスタブやシャワーヘッドなどの、宿泊客が直接触る部分も入念に清掃しなければいけません。

客室清掃は時間との戦いでもあり、一つの清掃場所に多くの時間を割くのは難しいでしょう。
そのため、どうしても水垢汚れや髪の毛を見落としてしまったり、軽い拭き掃除で水垢を落としきれなかったといった事態も発生します。

そこで、水回りの清掃で確認すべき場所をマニュアルに記載し、あらかじめ清掃員全員が把握しておきましょう。
また、時間がない中で客室清掃を実施しても、簡単に汚れを除去できるように、キレイな清掃用具を準備しておくのもおすすめです。

客室清掃の注意点のコツ2:備品

客室清掃では歯磨きやスリッパ、ティッシュなどの備品・アメニティー類の補充も行います。

しかし、どれだけマニュアルにチェックすべき項目が記載されていたとしても、設置されている備品の数が多くなるほど、確認すべき場所は多くなってしまい、補充ミスも発生しやすくなります。
そこで、宿泊施設の近くにコンビニや売店が設置されているのであれば、部屋内に設置する備品自体を減らしてしまうのも良いでしょう。

そもそも設置されている備品が多いほど、部屋全体が雑然とした印象となり、清潔感も失われてしまいます。
客室内に設置する備品自体を減らすことで、清掃時の手間も減り、作業効率向上にも役立ちます。

もしくは、備品やアメニティー類を種類ごとに箱やカゴに収納しておき、一目で補充するものを確認できる状態にしておくのもおすすめです。

客室清掃の注意点のコツ3:寝具・タオル

リネン類の交換やベッドメイキングも客室清掃において重要な業務です。
この時、シワが残らないように丁寧に対応するとともに、極力時間をかけずに完了させることも重要となります。
特にベッドメイキングは初心者には難しいため、清掃業務に対応するスタッフには事前に研修を実施しておくのも良いでしょう。

また、シーツやベッド・枕カバー、バスタオルなどのリネン類を交換する際には、シミや匂いにも注意しなければなりません。
たとえ洗濯済みであったとしても、前の利用者によるシミや臭いが付着したままでは、清潔とは言い難いでしょう。

シミや臭いが残ったリネン類を提供してしまうと、利用者から宿泊施設の衛生状態に不信感を抱かせてしまいます。
対面でのクレームにつながらなかったとしても、悪評へとつながりやすいため入念に確認しておきましょう。

客室清掃の注意点のコツ4:カーペット・カーテン

寝具やタオル類と同じく、カーペット・カーテンのシミや汚れに気をつけなければいけません。

カーペットやカーテンはどうしても汚れやゴミが付着しやすく、クリーニングにも手間がかかってしまいます。
そのため、基本的には客室清掃を行う清掃員の手作業で対応します。

特に食べ物のカスや飲み物によるシミ、毛足に絡みついた髪の毛やホコリなどは、宿泊客に不快感を抱かせてしまうため、見落としがないようチェックしましょう。
一方で、繊維のすき間に入り込んだゴミは、見えにくいばかりか掃除機でも除去しきれないこともあります。
カーペットやカーテンを清掃する際は、専用の清掃用具を準備するのもおすすめです。

客室清掃の注意点のコツ5:虫

ゴキブリやカメムシ、蛾などの虫は、年齢や男女を問わず、苦手だと感じる人も少なくありません。
宿泊施設は利用者全員が安心してリラックスできる空間を提供しているため、客室では極力虫の発生を抑える必要があります。
周囲に自然がある宿泊施設では客室にも虫が発生しやすく、入念に対策しなければいけません。

とはいえ、宿泊客から見える場所に虫よけのトラップを設置してしまうと、虫の出現を想像させてしまい、不快感を与える恐れがあります。
また、虫よけトラップが目に入ることで生活感が出てしまい、宿泊施設全体の清潔感が薄れてしまいます。

そのため、虫よけトラップは「虫よけに効果があり、なおかつ宿泊客の目に付かない場所」に設置しましょう。

不潔感を避け、清潔感を演出する方法とは

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宿泊客からのクレームを避けるには、汚れを落としきるだけでなく「清潔感」も重要です。
たとえキレイに清掃されていたとしても、一目見て清潔だと感じるような状態でなければ、クレームや悪評につながる恐れがあります。
宿泊施設の清潔感を演出する上で押さえておくべきポイントを見ていきましょう。

消臭などの「部屋の臭い」対策

客室での清潔感を演出する場合、まずは部屋の臭いに注意しましょう。
友人宅の部屋に入った際、その部屋の居住者には分からないような独特の臭いにすぐ気が付くように、外から客室へと入室した宿泊客も、客室内の臭いを敏感に感じ取ります。

香水や食べ物、カビ、たばこの臭いは部屋に残りやすく、不快感を与える臭いでもあるため、清掃員と連携を取りつつ宿泊客を向かい入れる前に臭いが残っていないかチェックが必要です。

臭いの元としてはカーペット・カーテンといった布製品や排水溝回り、エアコンなどが挙げられます。
宿泊客の回転率やクリーニング頻度の関係から、完全に臭いを取り除くことが難しい場合は、客室内に空気清浄機や除菌・消臭スプレーを設置するのもおすすめです。
客室清掃で完璧な臭い対策が行えなかったとしても、宿泊客自身で臭いへ対応できるよう配慮しておくと、クレームや悪評にもつながりにくいでしょう。

生活感をなくし「ホテルライク」を意識する

客室内の生活感を抑えるだけでも「清潔感」を演出できます。

そもそも生活感とは、人が生活していることが客観的に感じられる様子を指しており、具体的にはゴミが残っている、家具や備品に誰かが使用した形跡が見られるなどが挙げられます。
中古品や古着を嫌がる人がいるように、他の人が使用した、もしくは触った痕跡が残っている状態を嫌がる人もいるのです。

生活感を抑えるには、日々の客室清掃で確認すべき項目を取りこぼさないことが重要になります。
他にもゴミ箱やティッシュケース、消臭剤などに専用のカバーを装着して統一感を出したり、テレビや照明の配線、ドライヤーのコード類をしっかりとまとめて雑然とした状態を抑えると、客室内の生活感をなくせるでしょう。

お客様の導線や視線を意識した家具、備品の配置を行う

清潔感を演出するためには、宿泊客の導線や視線も意識して、家具・備品を配置しなければいけません。
例えば、どれだけ高級な家具・備品を備え付けたとしても、それらが宿泊客の導線や視線に配慮していない配置になっていた場合、部屋全体は物が整理されていない雑然とした印象となり、清潔感が失われてしまいます。

具体的には、部屋内でもキャリーケースを取り回しやすいように、玄関からベッドまでは家具を配置せず広い空間を確保する、外の景色が一望できる大きな窓付近は特に虫の死骸や汚れに気をつける、などが挙げられます。

客室の広さや配置している家具・備品が同じだったとしても、利用者の目線に立って、導線や視線へ配慮された客室の方が、より良いサービスを提供できるでしょう。

お客様の意見を集めるのも大切

客室清掃の品質が十分でないと、クレームへと発展するかもしれません。
そして、クレームは口コミサイトやSNSでの悪評へとつながり、それらは入居者数へと大きく影響します。

利用者からのクレームを避ける上で、客室清掃で注意すべきポイントは多岐にわたります。
ここで紹介したことは基本的なポイントであり、すでに実践している宿泊施設事業者も少なくないでしょう。

それでは宿泊施設利用者の意見を直接見てみるのはいかがでしょうか。

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