TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

客室清掃員にはお馴染み?ホテル清掃関連のよくあるクレームと解決事例
2019.07.29 業界コラム

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ホテルの責任者として働いている人の中には、客室清掃に関するクレームを受けることも少なくないと思います。
元々、客室清掃の仕事はクレームが出やすいため、小さな見落としや不備があるだけでも客室清掃員に対してもクレームを受けてしまうケースがあります。
クレーム防止のためには、その原因を知った上で対策を講じなければなりません。この記事では、クレームの原因と事例、解決事例についてご紹介していきます。

なぜ客室清掃はクレームが出やすいのか

どんな業界でもクレームはつきもので、作業の品質に比例してクレームを受けてしまう確率も増加します。
前述したとおり、ホテルの客室清掃の仕事は業務の性質上クレームを受けやすいとされており、その大きな原因は短時間で何部屋もの掃除やベッドメイク、リネン交換などを行わなければならない「忙しさ」が関係しています。
特に最近は人手不足の影響もあり、十分な清掃時間が確保できないという環境も課題の一因になっていると指摘されているのです。
一方で日本人は諸外国の人と比べて清掃に対して厳しい傾向があるので、少し汚れている箇所があっただけでクレームを受けてしまうケースもあります。
また、ホテルのお酒に酔った利用客に理不尽なクレームを入れられてしまうことも少なくありません。
客室清掃員のミスが原因のクレームもありますが、そうでないクレームも多いことも覚えてきましょう。

客室清掃のクレーム事例

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客室清掃に関して寄せられたクレームの具体的事例を観光庁がまとめた「改善事例一覧」のなかからピックアップして紹介します。

「Do Not Disturb」の札があったため掃除をしなかったらクレーム

ホテルでは日中に宿泊客が外出している間に掃除を行うのが一般的です。
ただし、宿泊客が日中に外出をせず客室でくつろいでいたい場合には、通称DDカードと呼ばれる「Do Not Disturb」の札をドアにかけると、客室清掃員はその部屋に入ることはできません。
しかし、宿泊客が「Do Not Disturb」の札を外し忘れていたにも関わらず、部屋の宿泊客から掃除をしなかったとクレームを受けてしまった例もあります。

不可能なレベルの指摘をされた事例

宿泊客の中には非常に細かい指摘をしてクレームを入れる人もいます。
例えば、カーテンの隅の方に付いていた目を凝らさないと確認できないくらいの薄い小さなシミを指摘されてしまったケースや、トイレの便器の裏側が汚れていたということでクレームを受けてしまった例もあります。
どちらも普通に使っていて、汚れている箇所が目に入ってくることはありません。
このようにホテルは多くの人が利用するため、多種多様なクレームを入れる利用者がいることもあります。

口コミサイトにクレームを書かれた事例

宿泊客の中には直接クレームを入れるのではなく、口コミサイトなどに書き込む人もいます。
具体的な状況が分かるような書き込みだと、上司や責任者からそのときに担当した客室清掃員が呼ばれてしまうケースがあるのです。

髪の毛やニオイに関するクレーム

客室清掃員は細かな箇所まで丁寧に掃除していますが、特に気を遣うのは髪の毛です。
人間の髪の毛は1日に100本程度は抜けているとされており、そのためホテルの客室にも髪の毛が多く落ちている可能性が高いのです。
髪の毛は1本や2本だとほとんど目立ちませんが、掃除機をかけても絨毯の繊維の隙間に食い込んで吸い込まれないことも多いです。
そんな髪の毛が1本残っていて、クレームが来てしまった例もあります。
また、バスルームでは壁に髪の毛が1本張り付いてしまい、それに気づかず後から床に落ちることも多いです。
最近では外国人観光客が宿泊することもあり、香水などのニオイがクレームにつながってしまうこともあります。
消臭スプレーを使用しても窓やドアを全開にして換気しても、ニオイは完全には取れません。
冷蔵庫に漬物を入れた宿泊客がいて、次の宿泊客からクレームが来た例もあります。

クレーム減少を実現した事例

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クレームを減らすためにホテル側が実施した方法について紹介していきます。

マニュアル作成による対策

京都市の観光旅館では、年齢が若く勤務経験の浅い客室清掃員が多かったことなどが一因になり、作業のスピードや品質に課題がありました。
そのような環境が原因でクレームを受けることも多かったため、観光旅館は品質の向上と業務効率化を実現するために統一マニュアルの作成を実施。現状の改善を図りました。
ただ、一方的にマニュアルを押し付けたのでは、従業員のやる気を削いでしまう可能性があります。
そこで、その旅館では従業員全員が参加してマニュアル作成を行いました。従業員の意見を取りまとめてマニュアルを作成することで、その過程でクレーム対策の良い例と悪い例の理解するのにも役立ち、クレーム減少に繋がりました。

外国人向けの案内書を作成

鹿児島にあるホテルではインバウンドが増えている影響で、連泊する宿泊客も増えました。
連泊の場合には宿泊客が外出するかどうかで、客室清掃員の対応が変わるため外出の待ち時間が生じてしまいます。これが業務効率の悪化に繋がっており、アメニティ類の交換に関してもクレームを受けてしまう状況でした。
そこで、チェックイン時に案内書を手渡し、清掃時間を指定できるようにしました。
外国人観光客が多いという状況を踏まえて案内書はなるべく簡単な内容で作成し、英語版も作成したのが特徴です。
この対策が功を奏して業務効率がアップし、リネンやアメニティ類の交換に関するクレームの減少を実現しました。

清掃項目別の目安時間の設定

三重県のホテルでは客室清掃員の作業スピードの速さや品質にばらつきがありました。
またチェックインまで清掃が間に合わず、クレームにつながっていたケースも多かったそうです。
そこで清掃を項目別に分けて、それぞれ標準時間を設定。各客室清掃員はその標準時間を目安にして清掃を行うことにしました。
共通の目標を掲げることでこれまで1部屋の清掃に平均で39分かかっていたのが35分30秒にまで短縮し、全体の業務効率もアップ。全体の時間は短縮され、チェックインに清掃が間に合わなくるケースの減少を実現しました。

クレームを防止して効率的に働きましょう

ホテルの客室清掃の仕事は宿泊客からクレームが来ることが多く、ハードな一面がある仕事です。
しかし、ちょっとした工夫次第で、クレームを減らし業務効率もアップさせることもできます。
クレームが減ることで人材が定着しやすくなり、人手不足解消につながるので、ぜひクレーム減少を目指して対策を講じていきましょう。