TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

環境問題を、もっと身近なところから考えてみる~3Rってなんだろう?~
2020.01.15 業界コラム

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猛暑や大雪、ゲリラ豪雨、近年にはなかった大型台風による水害。最近そんなニュースをよく見かけるようになりました。

身近なところでは、かつてクーラーは暑いと感じたら付けるというものでしたが、ここ数年の間で、夏はエアコンを使用し適切な温度を保たないと命に関わるということが世間一般に広まりつつあります。

これらの気候の変化は日本だけでなく、地球の様々な地域で起こっています。

異常気象の他にも、自然に分解されることのないプラスチック製品がゴミとして1億トンも漂流する海洋汚染の問題が日々深刻になっています。
プラスチックごみに関しては、有害な化学物質と廃棄物から健康と環境を守るため、2019年に国連により新たな取り決めが下され、約180ヶ国の政府が採用することになりました。

異常現象の原因はひとつには絞ることはできません。しかし、世界のたくさんの国々で発生しているゴミによる環境破壊は間違いなく大きな影響を与えています。

昨今、世界各国が取り組むべき問題として、環境破壊への対策について様々な話し合いが行われています。そんななか、耳にすることが多くなってきたのが「3R(スリーアール)」という言葉。ニュースなどでも時々取り上げられこともある「3R」ですが、どういう意味なのだろう?と思っている方も多いはず。

ここで改めて、「3R」ってなんだろうと考えてみましょう!

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3Rという考えが生まれた流れ

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「3R」とは、環境を守るためにゴミを少なくしようという考え方です。

2000年に「循環型社会形成推進基本法」という、ゴミを減らし、再利用可能な資源をリサイクルする社会を作るための法律が確立されました。そのなかで推奨されたのが「3R」です。

2004年に開催された主要国首脳会議(G8サミット)にて「3R」という考えは世界にも提唱され、広まっていきます。

翌年には、環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞した、ケニア出身の環境保護活動家ワンガリ・マータイが、日本語の「もったいない」という言葉に感銘をうけ、環境保全のために必要な「3R」を一言で表していると世界中に知られることとなりました。その後、「MOTTAINAI」は世界共通の言語となり、自然や物を大事にする・敬意を払うといった日本の考え方として「3R」とともに知られていっています。

3Rって、どういう意味がこめられているの?

3Rとは、廃棄物(ゴミ)を減らすことで環境に配慮しようという運動のなかで、とくに大事なキーワード3つの頭文字のことです。
その3つのキーワードとは……

・Reduce(リデュース):減らす
・Reuse(リユース):繰り返し使う
・Recycle(リサイクル):再資源化する

この3つの言葉を合わせて「3R」と呼ばれています。「3R」に掲げられる、減らす・繰り返し使う・再資源化するということは、それぞれ独立した考えではなく、このように順番に繋がっています。

「Reduce」日々の生活のなかで出てしまうゴミになってしまうものを減らそう

「Reuse」まだ使えるものは、そのまま繰り返し使い続けよう

「Recycle」資源として再利用しよう

3Rを毎日の生活のなかで生かそう!

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リデュース、リユース、リサイクル……それぞれにこめられた意味はわかったものの、それってどうやったらいいの? と思ってしまいますよね。

「環境破壊を防ごう」というと、とても大変なことに思えてしまいます。しかし、3Rは日々の生活のなかでも無理なくできるのです。
それぞれ家庭のなかでできそうな具体案をいくつかピックアップしてみましょう。

Reduce(リデュース)

ゴミをできるだけ少なくするという考え方には3つの意味がこめられています。

まずは、その言葉のとおり捨てるもの自体を少なくするということ。そしてもうひとつは、出来る限りゴミの容積を小さくすること。最後のひとつは、今使っているものを、大事に使うことです。

例えば……
・外食時に使い捨てのお箸ではなく、マイお箸を使う。
・マイボトルを使用して、ペットボトルのゴミを少なくする。
・買い物の時にはマイバッグを使い、レジ袋をできるだけもらわない。過剰包装を避ける。
・食品を買う時は適切な量を意識して、フードロスを少なくする。
・調理時に使うラップ等を、エコラップ(再利用可能なもの)にしてみる。
・洗剤やシャンプー、化粧品などは詰め替えパックを利用する。
・缶やペットボトルなどの資源ゴミを出す時は、平たく潰して容積を小さくする。
・家具や家電など、壊れてしまったものはできるだけ修理して使う。

Reuse(リユース)

再利用と聞くと、リサイクルという言葉をイメージしがちですが、リユースは「そのままの形でもう一度使う」ことです。

お部屋の大掃除や断捨離などのタイミングで、チェックしてみませんか?リユースできるものがないかを意識してみると、案外たくさんあるかもしれません。

・読まなくなった本・着なくなった服など、いらなくなったものは、フリーマーケットやリサイクルショップ、バザーなどを通して、他に使ってもらえる人に譲る。
・古着などを掃除のときに雑巾として使う。
・地域のお祭りや学校の行事などで、使い捨ての食器ではなくリユース食器を使うようにする。
・家のなかで不要になっているものがないか、押し入れや倉庫の奥で眠っているけれど使えるものがないかをチェックする、もしもあったら早めにリユースする。

Recycle(リサイクル)

リサイクルは、私たちの生活のなかで最もなじみの深い言葉です。しかし3Rのなかでリサイクルの優先順位は3番目。実は「リサイクルはできるだけ少ないほうがいい」という考えなのです。

リサイクルとは、ゴミとして出たものを資源として生まれ変わらせ、それを使い新たなものを作るということ。つまりリユースに比べて手間や資源がかかってしまうのです。

ゴミを出さないようにすれば、リサイクルは不要。そのため、リサイクルは最小限であることが大事だということを忘れないでくださいね。

・リサイクルできるゴミについて、何が対象になるのか知る。
・資源ゴミ(ビン、缶、ペットボトル、紙など)の分別方法を正しく守る。
・家電の廃棄では所在地の家電リサイクルの取り決めをきちんと調べて出す。

3Rは難しくない、できることから少しずつ!

世界で起こっている異常気象や、環境破壊。あまりに大きな被害を伝えるニュースを目にすると、自分でできることなんてないのではないかなと思ってしまいます。

ですが、日々の暮らしのなかでの小さな心がけが積み重なってゆくことが、環境破壊を防ぐ一歩になるのではないでしょうか。

「3R」について、どんなことができるだろうか? これをすればいいかも?そんな話し合いを、家族や友人とのなにげない会話のなかでできるといいですね。

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