TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

目指せ、閑散期の集客アップ!ホテルのマーケティングと施策例
2020.09.09 ホテル全コラム ホテル業務改善 業界コラム

Glass glowing light bulb and business sketched ideas on wall

長期連休明けの5月中旬~7月や1月中旬~2月はホテルの閑散期とされ、客室稼働率を上げるために積極的な集客施策が必要と考えられてきました。それに加えて2020年は大流行した感染症の影響により、空室状況の改善が切迫した問題となっているホテルや旅館は少なくありません。そこで今回は、こんな時期だからこそ改めて確認した閑散期に行うべき施策と基礎的なマーケティングについて解説します。

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感染症を契機に高まるマーケティングの重要性

政府肝入りの「GoToキャンペーン」など、観光業界や宿泊業界を後押しする施策が始まったもののこれからの動向や需要の回復は不透明です。そのなかで必要なのはホテルの売上げや予算と現状の数字を把握して、中長期的なビジョンに則った営業戦略を立てることです。感染症の流行が収まるまでの人員配置などはもちろん、収束後にいち早く需要を回復するための広報宣伝戦略までやらなければならないことはたくさんあります。アフターコロナ、Withコロナのなかでどうやってホテルを経営して行くかは、業界全体が低調なタイミングで考えて行動しなければなりません。このような背景からホテルを経営におけるマーケティングの重要性が高まっているのです。

ホテル・旅館などの施設内の感染症対策強化

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まず、手を付けなければならないのが施設内の感染症対策の強化です。感染症の大流行によって防疫意識が高まった社会では、安心して宿泊客が過ごせる環境を構築しなければならないと考えられます。具体的な施策は以下になります。

■感染症対策の施策(例)
・フロントにパーテーションを設ける
・タブレット端末を介したIoTの導入などで人の接触を極力避ける環境をつくる
・入館時の体温チェック
・排気、換気設備の強化

上記のような施策を実施するとともに、医学的見地からその効果を実証し、ホームページなどで公開することで安心・安全をPRするのは重要なポイントといえるでしょう。衛生面を充実させることで、「感染リスクを低減するためなら多少の宿泊料の値上がりは構わない」という層の獲得も期待できます。

デジタルマーケティングの強化

インターネット戦略およびデジタルマーケティングの見直しも、閑散期に行える重要なポイントの1つです。現状、インターネットからの集客はOTA(オンライン・トラベル・エージェント)にのみ頼っている宿泊施設は少なくありません。ただ、閑散期に集客するためにはさらに集客の窓口を増やす必要があると考えられます。インターネット上の集客強化に有効な手段の一つが、公式サイトからの予約数を増加する方法です。具体的には以下のような情報を発信することで、より宿泊予約が増えると考えられています。

■公式ホームページで発信すべき情報
・地域内の競合施設にはない観光情報などを紹介する
・衛生面を重視する姿勢、具体的な施策を発信
・WEB限定の特典
・ユーザーの検索ニーズにマッチするSEO施策の実施

施設のコラムページなどを新設し、上記のような情報を積極的に配信することでユーザーに旅館の魅力などを伝えることで予約数や予約率のアップを目指せます。また、公式ホームページにどれだけ人が訪問し、どのようなページを見ているのかといったデータは「Googleアナリティクス」で計測できます。デジタルマーケティングにまだ手を付けていない施設は、まずはGoogleアナリティクスを公式ホームページに導入することから始めてみてはいかがでしょうか。

客室清掃の効率化、サービス強化

客室清掃の効率化も閑散期に行うべき施策の1つです。客室清掃員は人手不足が慢性化しています。客室稼働率が低下している時期は客室清掃員に余裕があり、余剰人員として削減対象にしてしまうと、需要が回復した際に大きなリスクを抱えてしまう可能性が高まるので要注意です。それを踏まえたうえで、需要が回復した際に客室清掃を効率的に行える体制を整えておく必要があります。客室清掃の効率化の具体的な施策を以下の通りです。

■客室清掃の効率化
・清掃用具の導入
・マニュアルの見直し
・インスペクションの効率化

客室清掃員の高齢化が顕著になっている今、効率的な清掃にはスタッフの負担軽減が欠かせません。特にリネン交換時に発生するリネン室の往復は、時間的にも客室清掃員の負担的にも改善しなければならない作業となります。閑散期はテラモトが製造・販売している「ホテルリネンワゴン」などの設備を試験導入する良い機会です。ABテストなどを実施して需要が回復した時期に万全の体制で臨めるように備えることが、ベストな選択肢ではないでしょうか。

客室清掃と感染症対策

アフターコロナ、Withコロナにおける客室清掃では、除菌やアルコール消毒の実施も重要なポイントになります。沖縄県の観光ホテルでは、ドアノブやテレビ、空調スイッチ、電話機、バスタブ、ドライヤーなどの宿泊客が触れる場所をアルコール消毒するほか、清掃後に除菌消臭スプレーを散布。さらに宿泊客がいつでも除菌消臭スプレーを使えるように部屋に常備するなど、客室清掃における徹底した感染症対策を実施しています。このように清掃マニュアルを時流に合わせて見直し、いち早く実践して積極的に情報公開することで、宿泊客からの信頼性向上を図れます。

既存客のフォロー

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閑散期は需要回復を見越した施策も重要ですが、それと同じくらい大切なのが既存客のフォローアップです。既存客=リピーターは、安定した宿泊施設の経営には欠かせない存在です。先述した公式ホームページでの情報発信は、新規客や見込み客に向けの側面が色濃いので、既存顧客とのコミュニケーションはSNSやメールマガジンなどがおすすめです。感染症対策の取り組みやイベント情報などを随時発信して、既存顧客を施設のファンにすることを目指しましょう。SNSやメールマガジンを開設したり、発信できる体制ではない場合、クーポン券付きのDMを発送することもある程度の効果を見込めます。そのほか、宿泊施設の口コミサイトやGoogleの評価などにも丁寧に返信することも、宿泊した人の顧客満足度向上につながります。

閑散期はより良い体制を整備するチャンス

今回は、ホテルや旅館が閑散期に行うべき代表的な施策例について紹介しました。業界全体の需要が低迷するなか、これまで手を付けていなかったことにチャレンジしなければならない施設も少なからず現れると考えられます。インターネットを駆使した施策や感染症への万全な体制は一朝一夕では実現できません。閑散期だからこそできることに注力して、需要が回復した際の利益を最大化できるようにホテルの責任者や従業員問わず考えて行動してみてはいかがでしょうか。

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