トイレが詰まる前に知っておきたい。ラバーカップの使い方と種類
2019.09.06
道具の使い方

トイレや排水管、排水パイプなどの詰まりを解消するために役に立つのが「ラバーカップ」です。しかし、ラバーカップの正しい使い方を知っている人は意外と少なく、いざ使うときに慌ててしまう人も少なくないようです。
そこで、本記事ではラバーカップの種類および正しい使い方についてまとめました。
トイレが詰まってしまう前にぜひ確認しておきましょう。
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ラバーカップの種類
ラバーカップは大きく分けて「和式」、「洋式」、「洋式(節水型)」の3種類があり、種類によって使い方が異なります。まずは、それぞれのラバーカップの特徴についてみていきましょう。
和式
ラバーカップと言われて多くの人が思い浮かべるのが、和式用のラバーカップです。ゴムの部分がドーム型になっており、その内部は空洞になっています。和式用のメリットは、トイレ以外にも使用できるということです。たとえば、キッチンや洗面所の排水溝が詰まったときにも、和式用のラバーカップがあればスムーズに対処することができます。
洋式
洋式用のラバーカップは一見すると和式用のものと似ていますが、ゴムの内部を見ると先端が少し出っ張っていることが分かります。自宅のトイレが洋式であれば、トイレに合ったサイズの洋式用ラバーカップを購入しましょう。なお洋式用ラバーカップの中には、和式トイレにも対応しているタイプもあります。
洋式(節水型)
洋式用ラバーカップの中でも、ツバ付きのタイプは「節水型」と呼ばれています。ラバーカップは完全に排水溝を覆うことができないと圧をかけることができませんが、節水型はツバによってしっかりと隙間を埋められるため複雑な形のトイレでも利用できます。近年では、節水型トイレの普及によって洋式ラバーカップの需要が増えているようです。
意外と難しい!ラバーカップの正しい使い方
ラバーカップは簡単に使えそうに思えますが、正しく使うのは案外難しく、正しい使い方を知らないと十分に使いこなすことができません。ここでは、ラバーカップを使う正しい手順と、使用時のポイントをご紹介します。
ラバーカップの使い方手順
まずは、ラバーカップを使う際の手順について説明します。
手順1. 詰まりの状態を確認する
まずは、ラバーカップで対応できる程度の詰まりかどうかを確認しましょう。異物が見えていたり、水がまったく流れず溢れそうな状態の場合は、ラバーカップでは対応できない可能性があります。また、水位が極端に高い場合は、あふれないようバケツなどで一部の水を汲み出しておくと安全です。
異物の誤投入(ペット用シーツ、生理用品、掃除道具など)が思い当たる場合は、無理にラバーカップで押すと悪化することもあるため、状況をよく観察して判断しましょう。
手順2.ラバーカップを排水口に密着させる
詰まりの程度を確認したら、次にラバーカップを準備します。
水が少ない場合は、ラバーカップのゴム部分が水にしっかり浸かるように、バケツなどで水を足しましょう。ゴム部分が水に浸かっていないと、うまく圧力がかからず効果が薄れます。
水を足したら、排水口の中央にラバーカップをゆっくりと押し当て、ゴムがぴったりと密着するようにします。空気が間に入らず、排水口全体を覆えているかを確認しましょう。
手順3. 静かに押して、力強く引く
ラバーカップを排水口に密着させたら、次に圧をかけて詰まりを動かします。
まずはゆっくりと静かに押し込み、ラバーカップのゴム部分が凹むまで押し続けましょう。この動きで排水管内に圧力をかけます。次に、一気に力を入れて引き抜くように動かします。このときの勢いで、詰まりが逆流し、排水路が開放されるという原理です。
勢いよくやりすぎると水が跳ね返ってくることがあるため、顔や服を守るためにビニールシートや新聞紙を活用したり、ラバーカップの柄の大きさに穴を開けたビニールシートをかぶせて作業したりするのがおすすめです。
手順4. 数回繰り返して詰まりをほぐす
ラバーカップの動作は、1回で解消できるとは限りません。詰まりの程度によっては、同じ「押して・引く」動作を数回繰り返す必要があります。
回数の目安は3〜5回ほどですが、それでも改善しない場合は少し間をあけてから再度試すと、詰まりが動きやすくなることがあります。
作業中に水が流れるような音がしたり、水位がゆっくり下がり始めた場合は、詰まりが解消に向かっているサインです。手応えが感じられるまで丁寧に繰り返すことがポイントです。
手順5. 水を流して確認・後片付け
詰まりが取れたと感じたら、まずはバケツなどで少量の水を流して確認しましょう。
一気に水を流すと、詰まりが残っていた場合に再び溢れてしまうことがあるため、最初は慎重に。スムーズに水が流れるようなら、トイレのレバーを使って通常通り水を流し、完全に詰まりが解消されたことを確認します。
最後に、使用したラバーカップは水でよく洗い、天日でしっかり乾かしておきましょう。洗剤はゴムを傷める原因になるため、水洗いが基本です。
ラバーカップの正しい3つの保存方法
ラバーカップは非常時に役立つ便利なアイテムですが、使用後の適切な保存を怠ると、悪臭やカビ、劣化を招く恐れがあります。清潔に長く使うためには、日常的なメンテナンスと保管方法が非常に重要です。
ここでは、ラバーカップを衛生的かつ安全に保つための「正しい保存方法」を3つご紹介します。
1. 使用後は必ず水洗い&乾燥
ラバーカップを使用した後は、まず水でしっかり洗い流しましょう。排水口に直接触れるため、汚れや菌が付着していることがありますが、洗剤の使用は避けるのが基本です。洗剤を使うとゴムが劣化する恐れがあるため、水またはぬるま湯で丁寧に洗いましょう。
洗浄後はしっかりと水気を切り、天日干しするのが理想的です。完全に乾燥させることで、カビの発生や臭いの元を防ぐことができます。
2. 通気性のある場所に収納する
乾かしたラバーカップは、通気性のある場所に収納しましょう。風通しが悪く湿気の多い場所に置いてしまうと、ゴム部分にカビが発生したり、嫌なにおいの原因になります。トイレの掃除用具入れの中でも、なるべく空気がこもらない場所を選ぶのがポイントです。
たとえば、立てて収納できる専用ホルダーやフックなどを活用すれば、床に触れず衛生的に保管できます。
3. 定期的に状態をチェックする
使用頻度が低くても、ラバーカップの状態は定期的にチェックするようにしましょう。ゴムにひび割れがないか、柄の部分がグラついていないかなどを確認し、劣化が見られる場合は買い替えを検討してください。
また、長期間使っていない場合でも、年に1〜2回は洗浄・乾燥を行い、清潔な状態を保つのがおすすめです。いざというときに使えないことがないよう、定期的な点検を習慣にしましょう。
ラバーカップを洗う上で注意すべきこと
ラバーカップはトイレの詰まりを解消する頼もしい道具ですが、使用後の洗浄を怠ると、衛生面で大きな問題を引き起こす可能性があります。正しく洗って清潔に保つことは、再利用時の安心感にもつながります。
ただし、適当に洗ってしまうと逆効果になることもあるため、いくつかの注意点を押さえておくことが大切です。
ここでは、ラバーカップを洗う際に注意すべきポイントをご紹介します。
1. 他の掃除道具と一緒に洗わない
ラバーカップはトイレの排水口に直接触れるため、汚れや細菌が付着しています。トイレブラシや雑巾など、他の掃除用具と一緒にバケツや洗面台で洗ってしまうと、菌の拡散やクロスコンタミネーション(交差汚染)の原因になります。
ラバーカップは単独で洗浄し、使用後の水もすぐに捨てることが衛生管理の基本です。
2. しっかり乾燥させる
水洗いを終えたら、ラバーカップはしっかりと乾燥させましょう。濡れたまま保管すると、カビや悪臭の原因になるだけでなく、ゴム部分がぬめりやすくなり、効果的に使用できません。
可能であれば天日干しを行い、ゴムと柄のつなぎ目までしっかり乾かすことが理想です。室内で乾かす場合も、通気性の良い場所を選びましょう。
3. 洗った後の保管場所にも配慮を
洗って乾かしたラバーカップは、湿気のこもらない場所で保管することも重要です。床に直置きせず、吊るすか専用のホルダーに立てて収納すると、菌が付着するリスクを減らせます。
また、使用後の水が垂れないよう、トレイや受け皿を使うとより清潔に保てるのでおすすめです。
ラバーカップを正しく使ってトイレの詰まりを解消しよう
トイレが詰まるのはそう滅多にあることではありませんが、いざ詰まってしまうと非常に困りますよね。そんなときも、ラバーカップがあれば安心です。正しく使えば簡単に詰まりを解消できるため、焦る必要もありません。ぜひ万が一のときのために、自宅のトイレに合った種類のラバーカップを購入してみてはいかがでしょうか。