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リネンと人の関わりは「紀元前」。亜麻(リネン)の歴史を遡る
2020.02.12 ホテル関連商品ブランドサイト 業界コラム

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客室清掃のスタッフが毎日のように聞く言葉の1つが「リネン」ではないでしょうか?

ここではリネンについて、その歴史や現在のホテルとの関わりについて紹介していきます。

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リネンの歴史

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リネンの語源はラテン語の「linum(亜麻)」で、亜麻布を指す言葉です。

亜麻という植物の皮から採った繊維を「フラックス」と呼びます。そのフラックスで作った糸や布が、元々「リネン」と呼ばれていたものです。

リネンについての理解を深めるために、まずはリネンの歴史について勉強していきましょう。

古代

リネンの歴史は、一説によれば3万年前まで遡るとも言われています。

定説では1万年ほど前、紀元前8000年頃に、チグリス川、ユーフラテス川の辺りで人類最古の繊維としてリネンが使われ始めたようです。
紀元前3500年頃には、エジプトの交易品としてリネンが登場します。古代エジプトにおいて、リネンはミイラを巻く布、神事における神官の衣装、さらには一般民衆用の服としても使われていたそうです。

ヨーロッパにおいても先史時代からリネンが活用されており、スイスの湖では帆や網、ロープなどにリネンが用いられています。
ベルギーやオランダでは、紀元前5000年のものとも言われるフラックスの種が見つかっており、紀元前800年のものと思われる世界最古の糸巻も同じベルギーで発見されています。

ローマ時代にもリネンは活用されており、ユリウス・カエサルの時代の書物には「ベルギーの人々はリネンの衣服をまとっていた」という記述があるそうです。古代ギリシャやローマでは上流階級では質の良い純白のリネンが大事に使われており、特にローマでは時代が下ると一部層の人間がリネンを常用するに至ります。

また、聖書の記述によれば、キリストの遺体を包んだ布もリネンだったそうです。

中世

12世紀には既に中部ヨーロッパでリネンの織物が流通し、人間にとって身近なものとなっていました。

一部の国ではリネンを嫁入り道具とするため、女の子が生まれてから少しずつリネン製品を溜めておく風習まであったそうです。この頃のリネンは既に丈夫なものとなっており、嫁いだ先で使いきれずに残ったリネンがそのまま現代まで受け継がれ、アンティークリネンとなっています。

14世紀頃にはヨーロッパで多くの戦争が発生し、各国が混乱していましたが、この時代にフランス、オランダ、ベルギーにまたがる「フランダース地方」ではリネンが主要産業となります。「フランドルの毛織物」という言葉を世界史の授業などで聞いたことがある人もいるかもしれませんが、フランドルはフランダースのフランス語読みです。フランダース地方の織物産業と技術は伝統となって、現在まで引き継がれています。

近代~現代

18世紀にはリネンの生産高が非常に大きくなり、イギリスではごくありふれた素材となります。

日本では1800年代後半頃から北海道でリネンの栽培が行われ、1884年には日本初のリネン紡績会社ができました。その後太平洋戦争までリネンは本格的に栽培され、繊維として使われていきます。

戦争が終わって1960年頃にはリネンの栽培も廃れていきましたが、リネン製品の重要性はその後も変わらず、高級ホテルや皇室など格式のあるところで用いられ続けています。

いつしか「リネン」は寝具のシーツやタオルを表す言葉として使われるようになりました。ホテル業界で「リネン」と呼ばれるものが必ずしも亜麻から作られているわけではありませんが、あたかも布類の代名詞のように使われるようになっています。

リネンとホテル、客室清掃の関わり

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既に軽く触れましたが、現代のホテルにおいて「リネン」は、麻だけでなく綿やシルクなど別の素材で作られたシーツや枕カバーなどの寝具に使う布、テーブルクロスやナプキンなど食事のときに使う布、そしてバスタオルやフェイスタオルなど入浴時に使う布までを指す幅広い意味があります。

「リネン室にある布製品は素材を問わずリネン」という認識でいても、実務上はそれほど困らないでしょう。実際のところ、ホテルでは以下のような素材の布製品が使われています。

・麻
・綿
・シルク
・ポリエステル
・レーヨン
・テンセル®(リヨセル)

これらが全てリネン室にある可能性もあります。

ホテルで単に「リネン」というと、布製品そのものを指すことが多いかもしれません。もちろん素材としての「リネン」を指すケースもあるので、文脈や会話の流れで判断してください。

リネン=麻だと思っている人の中には、「麻ってゴワゴワしているんじゃないの?」というイメージがある人もいるかもしれません。麻には以下の種類があり、性質もそれぞれ違います。

・リネン(亜麻)
・ラミー(苧麻)
・ヘンプ(大麻)
・ジュート(黄麻)
・マニラ麻(アバカ)
・サイザル麻(ヘネケン)

日本で単に「麻」というと、リネンかラミーのどちらかを指します。

このうちリネンは綿に近く、しなやかで、ソフトで爽やかな触り心地を持っています。水分の吸収と発汗性に優れており、汚れが落ちやすく毛羽立ちも少ないなど、良い特徴の多い素材です。

このためキッチン、バスルーム、ベッドルームに使われることが多いです。触れるとひんやりとしていることも特徴で、夏季の寝具に使われることもあります。

客室清掃とリネン

客室清掃スタッフは主に寝具やタオルなどの「リネン」と日常的に触れることになります。

お客様が使用したリネンを回収して、洗濯済みのリネンをセットして回るのが客室清掃スタッフの仕事の1つです。1つ1つのリネンは大した重さがなくても、10部屋、20部屋分となるとかなりの重量になってしまいます。特にタオル類は濡れて重量が増加していることも多いので、これらを抱えて歩くと、ひどい場合は腰痛になってしまうかもしれません。

また、未使用の軽いリネンに交換する場合でも、シミや破損がないか、髪の毛などは残っていないかなどを素早くチェックする必要があります。リネンを扱っていると肉体的にも精神的にも疲労が蓄積するため、これらの解消が客室清掃においては重要な課題となっています。

テラモトとリネンの関わり

テラモトではリネンを扱う客室清掃スタッフの負担を少しでも軽減するために、独自仕様の「リネンワゴン」を提供しております。このワゴンの大きな特徴は、ワゴン内のリネンを様々な方向から出し入れできる点にあります。

ワゴンの長辺方向からだけでなく、短辺方向からでもリネンを取り出せるため、狭い通路でも作業がしやすいというメリットがあります。
また、大口径のキャスターを採用することによって、移動のしやすさと静音性を同時に確保し、清掃スタッフの負担減とお客様への配慮の両方を実現いたしました。

キャスターやフレームにはバンパーやカバーが備え付けられており、壁にぶつけた際に痕跡が残りにくくなるよう工夫しております。
ワゴンの最上部にはアメニティを数多く置いて運べる大容量スペースを確保しており、ワゴンのサイドにも大きなポケットを備えております。

さらに、別売のトートバッグをセットできる仕様なので、これを利用することでさらに多くの清掃用具を無理なく運ぶことができます。
カラーはブラウンとグレーの2種類です。どちらも落ち着いた色合いなのでホテルの雰囲気を壊すことはありません。

客室清掃の業務効率化に資するワゴンとなっておりますので、導入をご検討ください。

リネンの歴史は深く、客室清掃とも大きな関わりがある

リネンは人類最古の繊維であり、現在のホテル業界では布製品そのものを指す言葉にまでなりました。客室清掃におけるリネンの扱いは重労働ですが、テラモトのリネンワゴンを使うことで負担軽減と効率化を図ることが可能です。