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【コネクティング・ルームなど】客室清掃員が知るべき海外基準のホテルの部屋の種類とは
2019.12.11 ホテル全コラム ホテル豆知識 業界コラム

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ホテルにはシングルルームやツインルームなど、ベッドの数に応じた呼び名の客室があります。
しかし本記事では、ベッドの数や種類とは違った部分に着目したホテルの部屋の種類を紹介していきます。
部屋の種類を知ることは客室清掃員にとってプラスになってもマイナスになることはありません。
客室に対する理解を深めるために、本記事を参考にしてください。

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こんなにある!ホテルの部屋の種類

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本記事では以下のものを紹介していきます。

部屋の種類 特徴
コネクティング・ルーム 隣室とドアで繋がっている客室
アジョイニング・ルーム 隣り合った、または向かい合った客室のこと
オーシャンビュー 海が見える客室
シティビュー 都市を一望できる客室
ガーデンビュー ホテルの庭園が見える客室
マウンテンビュー 山が見える客室
ペントハウス 建物の最上階にある客室
カバナ ビーチやプールに直接出られる客室
バンガロー 泊まれるようになっている簡易な小屋
コテージ キッチン、トイレ、寝室等がある一戸建ての客室
ヴィラ コテージより設備の整った一戸建ての客室
コンドミニアム キッチンがついた客室
ドミトリー 相部屋形式の客室

主に部屋の眺望や設備、場所、戸建か否かなどによって分けられていることがわかります。
ベッドサイズによる部屋タイプとは異なるため、例えば「オーシャンビューのツインルーム」のような表現も可能です。

それぞれの部屋の特徴

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ここからはもう少し具体的に各タイプの部屋について説明していきます。

コネクティング・ルーム

2つ以上の部屋がドアを隔てて繋がっており、お互いに行き来できるタイプの客室をこう呼びます。
グループで宿泊したときに1部屋を男性用の部屋、1部屋を女性用の部屋として使ったり、大人用の部屋と子供用の部屋に分けて使ったりするなど、お客様が自由に利用できるというメリットがあります。

部屋同士を繋ぐドアのことを、廊下と部屋を隔てるドアと区別するために「コネクティングドア」と呼びます。

アジョイニング・ルーム

隣り合った部屋同士、または向かい合った部屋同士のことを指す言葉です。
特にドアなどでは繋がれていないため、お互いの客室を行き来するには一旦廊下に出なければなりません。
例えば4人グループで滞在するときにはツインのアジョイニング・ルームを予約すると、お互いの部屋を行き来しやすくなります。

オーシャンビュー

部屋から海を見ることができる客室です。
中でも「オーシャンフロント」とは「部屋のどこからでも海が見える」という意味であり、オーシャンビュー・ルームの中でも最も高いレベルの部屋として扱われ、大抵の場合はバルコニーがあって朝日や夕日を楽しむことができます。
一方、海を部分的に見ることができる部屋は「パーシャル・オーシャンビュー」と言います。

どのくらい海を見られる部屋をパーシャル・オーシャンビューと呼ぶのかは、ホテルによって異なります。
日本の場合は部屋からの景観の3割程度を海が占めている場合にパーシャル・オーシャンビューと呼ぶ場合が多いようですが、海外のホテルの場合、ひどいときには建物の隙間からほんの少し海が見えるだけでもパーシャル・オーシャンビューの部屋として紹介するケースがあるようです。

シティビュー

町並みや夜景をセールスポイントの1つにしているホテルなどに見られるタイプの客室です。
街を一望できる部屋という意味で、高い場所に位置することが多くなります。

ホテルの名称として「シティビュー」が使われることもあるので、混同しないようにしてください。

ガーデンビュー

ホテルなどが設置した庭園に面した客室です。
海や山、町並みなど、眺望の良い客室の反対側に設定されることがあります。
こう書くと「自然の眺望を楽しめない部屋に何とかメリットを作ろう」という苦肉の策のように捉える人もいるかと思いますが、実際には自然の眺望と調和するように作られた美しい庭園をセールスポイントにしているホテルもあります。

マウンテンビュー

山を見ることができる客室です。
山の自然や紅葉などをセールスポイントしているホテルに設定されていることがあります。
山の景色を楽しみたいお客様にアピールすることができます。

ペントハウス

ビルの最上層に位置する特別な客室のことを指します。
最上層であるため日当たり等を活かして特別な仕様になっている場合が多く、価格・設備ともにそのホテルの中では最高級の客室として扱われていることも珍しくありません。

欧米では客室だけでなく、マンションやアパートの最上階にある特別仕様の部屋のこともペントハウスと呼びます。

カバナ

廊下などを経ることなく、部屋から直接ビーチやプールにアクセスできる客室です。
ビーチが近い場合はオーシャンビューも兼ねる場合があります。

元々はスペイン語で「しのぐ場所」を意味する言葉であり、簡単な屋根と壁のある休憩スペースがカバナと呼ばれていました。
現在でもビーチやプールサイドにあるおしゃれな休憩スペースをカバナと呼ぶことがあります。

バンガロー

海外の場合、ベランダを建物の周囲に設けた木造の平屋建てを指す言葉で、永住するための家具や家電が備えられていることもあります。
日本の宿泊施設では全く意味が異なり、数人で泊まれる小屋を指すことが多いです。

「木造のテント」と言っても差し支えない程度の設備しかなく、トイレやキッチンは別の場所にあり、寝具などは持ち込む必要があります。
主にキャンプ場でよく見られるタイプの客室です。

なお、日本で言うバンガロー程度の規模の小屋は、英語ではハット(Hut)と呼ばれます。

コテージ

コテージには様々な意味がありますが、日本の宿泊施設においては木造一戸建てタイプのものを指します。
バンガローと違って家具や寝具に加え、冷暖房、キッチン、トイレ、お風呂などが備わっています。
2階建ての場合もあるため、この点でも平屋建てのバンガローとは異なります。
アメニティが用意されているコテージもあり、貸別荘に近い形で使われることがあります。

ヴィラ

コテージをさらに贅沢にしたようなタイプの一戸建ての施設で、リゾート地でよく見られます。
広いリビングや複数の寝室を備えているものからプライベートプールがあるものまであり、ホテルに併設されている場合はホテルの施設やサービスも利用可能です。
ヴィラから外に出なくても生活できるほどの設備やサービスを整えているホテルもあります。

コンドミニアム

キッチン、冷蔵庫、調理器具、洗濯機など、生活に必要なもの一式を備えた客室です。
コテージやヴァラのように一戸建てではなく、建物の一室になっていることが多いです。
あたかもマンションに住んでいるかのように自炊しながら生活できるため、食費を抑えられるのがメリットの1つです。

なお、アメリカでコンドミニアムと言うと「分譲マンション」という意味になるので注意してください。

ドミトリー

相部屋を前提とした部屋です。
2段ベッドであることも多く、複数の宿泊客が同じ部屋に泊まります。
部屋には寝るスペースが用意されているだけであり、トイレやシャワー、洗面所は共同で使います。
ユースホステルやバックパッカーズホステルに多く見られるタイプの客室です。

いざというときに戸惑わないようにホテルの部屋の種類を把握すべし

シングルやツインやダブルなど、ベッドのタイプに応じた客室の分類は理解していても、設備や眺望、部屋の位置等による分類はわからないという人がいるかもしれません。
他人からこれらの部屋の名前を言われたときなどでもすぐに意味を理解して対応できるように、それぞれの部屋の呼び方を確認しておくといいでしょう。

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